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コラム

第117回

「運袋」

日本を代表する飲料メーカーの専務の車に、同乗させて頂いた時の事である。なにしろ静かな物腰なのに、体格も眼力も物凄ぉい迫力がある方なので、緊張しつつも部下への指示のポイント等を伺って感心していると、

突然「う○ぷく○・・。」へっ??
「うんぷく○う」(この方は声が低く、呟き型なので神経を集中しないと聞き逃す)
う、うんぷぅくろう?ですか?
「うん、運袋。」(えっ?!!あっ運の袋?)
あ、はい、運袋(うんぶくろ)ですね。(袋にはいってる??…)
と。この時初めて運袋なるものを知った。

運命というのは、常に認識していたつもりだが、袋に入っているとは思わなかった。多分、専務の独特な論法なのかもしれないが、せっかくなので自分の運袋なるものを想像しながら考てみた。そもそも運とはなんだ?から。

思うに、運とは、生けるもの形あるものすべてが消滅するまでの過程で遭遇する出来事の判定基準ではないのだろうか。で、遭遇する出来事の基が詰まっているのが運袋である。そして肝心なのは中身となる。

誰でも幸運の方がいいに決まっているが、この世にでた時の状況や特徴だけは、宿命というか天命というかこれは変えようがない。けれど自我が目覚めたころからは、自分の生き方で運命は変えられる。運袋の中身を良くも悪くも出来るのだ。

不平不満や臆病やものぐさは不幸を呼び、笑顔と感謝と自信と行動は幸運を呼ぶ。私のように、人生下り坂になって気づいても、取り戻すのは大変なので、優雅な老後を望まれる方は、早めに運袋を上質な運で満杯にしておいて頂きたい。

また、運の良い人には解りやすい特徴がある。邪気を感じさせないのだ。邪気とは、妬み、嫉み、恨み、惜しみ、虚言、高慢、強欲等の悪意の総称である。全く無いと人の域を超えるので多少はあるはずだが、それを感じさせない「光」が強い。

そして、自立心が強く、どんな人とでも約束を守る人は、絶対に幸運の運袋持ちである。笑顔と感謝、自信と行動を忘れずに、運袋を幸運袋にしましょう。

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