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コラム

第17回

「インキュベーションWORKS」

昨今、よくインキュベーションが語られている。インキュベーション概念・論は、体系的、既存研究の少なさから、定義はないが、私共のこれまでの活動を通じ現状の成果から感じていることを申し上げたい。

インターウォーズでは、起業家とそれをサポートメンターが方向性を進化論的に探っていく形態をとり、インキュベーションプロデュースをおこなっている。このメンバーは様々な立場の、メンバーで1つ1つのチームによって構成している。

インターウォーズでは、人的ネットワークは、気が合うから集うのであり、フランクなルールでマネージメントしている。人と人とのつながりの輪を広げていると、誰が、どの領域に強いか、とかが自然にわかってくる。

つまり、目的に応じてどの人がキー・マン(ウーマン)となるのかが固有名詞で思い浮かぶようになってくる。インパーソナル対パーソナルという次元をなす。進化しながらパーソナルなネットワークの相互依存関係は、対等の触れ合いとしての関係を維持しやすい。充分、ベンチャー起業者の自助(セルフ・ヘルプ)精神とも両立しやすいものとなって育つ。

インターネットによる、情報の形式的なやりとりや検索は容易になったが、しかし、ある種の情報は対面(フェイス・トゥ・フェイスの)接触でなければ流れないし、人と人とが直接接触している間に、見慣れて情報にも意味が生まれたりする。

インターウォーズを鍵概念はネットワーキングによるヒューマンリソースと企業のマッチングを生かしたものであり、インキュベータの基本は、人の往来のないところに、情報資源の往来はなく、立ち上げに関わったメンバーが、そのまま起業に参加してゆく(参加型人材紹介)、人の移動を伴なうことが、成功要因ととらえ、実践している。人が開放されるところに、エネルギーが生まれ、独自のモデルを創り出す。

米国で研究生導型大学付随のベンチャーが成功しているのは、大学の人間が起業家になったり、起業人が大学の研究者として戻ったりできるからである。また、ベンチャーキャピタルなどは、人材の派遣、斡旋等を、行いマネーと人と企業コーディネートも行っている。

インターウォーズでは、コンサルティング、人材紹介、出資を、基本対応としているが、IWは、何でも自前ではなく、起業に大きな資源が必要な場合、大手の企業を苗床にする「企業内起業」方法をよく取る。

シリコンバレーやボストンなど見られるインキュベートの手法だ。「必要なものは、日光、と、肥料」と考えている。

 IWのワークが、何故かたちになるか。

ファイナンスだけでなく、理念を持ち、絶えずネットワークづくりに時間投入してきた、リーダーと理念に共感した世話役大好きプロ集団だからである。特別な大きなファンドでなく、目利きとして、人と人そして企業との独自ノウハウで、結びつけてゆくワークを有し、転職希望者の願望を出来る限り、取り入れインキュベーションのファクターにしている。

インキュベータをめぐる議論や実践は、ハードやファイナンスによる、計画主導モードのものが多いが、進化的モードがインターウォーズのこれまでの活動と実績から生み出した独自のインキュベーション概念である。

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