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コラム

第142回

「やっちゃえ、自分!」

優雅にたわいもないおしゃべりをする為に集まるパーティー的なものから、忙しい仕事の合間に、一息入れてエネルギー補給をする一寸した時間まで、環境や状況はいろいろだが、そんな様々な場面を想像した多くの企業の努力のおかげで、私たちは、いつでもどこでも自由にお茶時間を楽しませて頂けている。

がっ、最近になって味の違いがはっきりわかる商品に出会ってしまったのである。

まずは、吉祥寺通りにある月に2・3日しか開かない珈琲焙煎の専門店。珈琲に対する真摯なこだわりと接客姿勢に、口に入れる前から美味しさを予感させたが、飲んで更に感動した。えーっ!、珈琲ってこんな飲み物だった?である。

その上、質の違いは家で淹れる時にわかる。まずは、珈琲の袋を開けたとたん、香りの広がりが違う。部屋中を贅沢な香りで満たされながら、上品な苦みを感じる味わいは格別だ。

オーナーは、弊社とご縁のある方なのだが、まさかの珈琲ビジネスとは驚かされた。

異業種からの参入にしては、珈琲知識が豊富で感心するが、それ以上に、珈琲回りのあらゆるグッズに顧客や産地の人への思いやり、地球資源を大切にする気持ちが溢れていて、心も豊かになれる。珈琲を主体にした新たなモデルを構築されていると伺って、やはりご自身の経験を活かされているのだと改めて納得した。こんなお店が近くに欲しいので、より早くお仲間が増えてほしいと願っている。

次は、紅茶のお店。
紅茶という種類を打ち出すのではない。飲み方が商品なのだ。千駄ヶ谷にある『ミルクティー』のテイクアウト専門店である。

ミルクティーを美味しく飲むための茶葉を探し求め、独自にブレンドし、ミルクにこだわり、まさしく、どこにもないミルクティーを完成させた。香り、のど越し、後味。全てで違いがわかる。

このブランドを創られた方も、もともとは、違う業界人だ。起業する為に、コンテンツを国内外を問わず歩いて探し求めて見つけられたという。なんとも、フリーダムな起業なのだ。

最近、こういう思いを形にする方々との出会いが増えている。自分の売りたいものを提供されるので、こだわりが違う。だから旨い、当たり前のように旨いのである。工程を省かないから手間がかかる。でもやめない。

やりたいことをやっているからだと思う。苦労さえ楽しまれているようにも感じる。「人生はやりたいことをやった方が面白い」というのは、間違いないようだ。それに、「才能は、自分が決めるのではなく、周りが判断する、まずはやること」と。

これは、そのまま実行されている寂聴さんのお言葉である。やはり、間違いない。
「やっちゃえ!自分!」なのである。

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