第339回
社内起業家に求められる「人と組織を動かす力」

創業以来、私は一貫して「社内起業家(イントレプレナー)」と共に、インキュベーション支援に取り組んできた。インターウォーズを通じて生み出されてきた新規事業は、すでに200件を優に超える。その一つひとつが、企業のイントレプレナーの意志と可能性の発露であり、挑戦の軌跡そのものである。
そして、30年を超えて、多くの事業創生に関わる中で、確信へと変わっていったことがある。それは、事業の成否を分ける本質は、決してビジネスプランの巧拙だけではないことである。
精緻に練られた計画が、必ずしも成功を約束するわけではない。一方で、荒削りで未完成な構想であっても、力強く立ち上がり、周囲を巻き込みながら修正を重ねながら、しつこく挑戦し成長していく事業創生に関わってきた。
その違いは、「誰がやるのか」、そして「人と組織を動かす」、極めて人間的で根源的な問いに尽きる。
事業とは、構想ではなく“意思”によって動き出すものである。どれだけ優れた起業戦略も、それを体現する個の覚悟と執念が伴わなければ、机上の空論に終わる。一方で、強い意志を持つ個は、未熟な計画すらも現実に引き寄せ、進化させ実装していく。
社内起業とは、制度や仕組みの問題が核ではない。それはむしろ、「個」がどれだけ自らの内発的動機と向き合い、組織という制約の中でなお挑戦を貫けるかという、人間の営みそのものだ。
だからこそ、私たちが支援すべきは「事業」そのものだけではなく、「人」と「組織」と「経営陣」と関わりを重視している。
その為の組織サーチ診断等をイントレパスと合わせて、実践し企業内起業を実現する組織構造に変革するバックアップをしている。
社内起業家が、どのような意思を持ち、どのような覚悟でその一歩を踏み出すのか。その問いに向き合い続け、「経が意志決定する組織構築」、「壁の取り外し」と「土壌創り」することこそが、結果として新規事業を生み出す最も確かな道だと、私は確信している。
