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コラム

第218回

「新芽の輝き」

人は早ければ12・13歳、遅くても15・16歳までに自立できる自我は確立している。そして25歳までに、自分の意志で勉学にいそしんだり、才能を伸ばしたり、何かの修行に励むか、はたまた何の努力もせず、なんとなく時をすごすかによって、その後の人生に大きな影響を及ぼすという事が、社会人生活も後半になると良くわかってくる。

にしても、15歳といえば、今のところ100歳を寿命としても後85年もある。益々の技術革新が進む中、85年後なんて想像もつかない未来を生きる人達だ。

私自身も15歳の時に、こんなにデジタル化された社会に存在できるとは想像もしていなかった。当時の若者の中にこのような技術の進歩を信じていた人々のおかげだ。

これからも今を生きる若者が、若者こそが、何を必要とされるのかを把握し、具体的に行動を起こす事で、より新しい時代に沿った技術やサービスが生み出される。若者には成長する為のエネルギーが無限に思えるほどあるからだ。

つい最近も、若者の行動力に驚かされた人から聞いたエピソードがある。

日本にもまだ交通網も地の利にも恵まれず人口も少ない静かな町が残っている、そういう町の一つに通う中学生達が、どうしても欲しい店舗の為に、そこに店が出来ないあらゆる理由や大人の事情を彼らの熱意と行動力で突破して、希望の店舗を誘致したという。

地元メディアまで巻き込んでいるのも今時の若者らしい。彼らの純粋さだけでなく俊敏な対応力に頑なな大人たちも動かされたのだろう。若者が本領を発揮する様子は気持ちが暖かくなる。

そういえば、こういう元気なU18世代を対象にした、企業との事業プロジェクトサポートや彼らの進路選択のインフラをつくるという信念を持つ若い企業がある。まさに今時の若者に寄り添った事業であり企業にとっても有意義な機会を提供している。創業メンバーのまっすぐな熱意を感じる企業だ。

なによりも、彼らのイベントに参加する若者たちの輝きときたら、まさに新芽の輝きここにありと思える。自己という主体性が確立する大事な時だからこそ、選択肢があるという事を知れば、自分の才能の活かし方も考えられるし将来の目標も立てやすくなる。企業側も優秀な若者達との出会いで新たな事業の芽が出る可能性が広がる。

とにもかくにも、これから益々、U18世代へのアピールは重要だ。なにしろ、デジタルネイティブな彼らの発想は、すでに国内外どころか、仮想空間でもなんの違和感もなく、自分の好きな物や好きな人、好きな事を自然体で掴んでいる。

とはいえ、今の若者もすぐに昔の若者になり、新たな進歩に戸惑う日が来る。その繰り返しで次から次へと進歩が続いていくのだから仕方がない。近い将来、「令和の人とか、生成AIあたりで喜んでいたらしいね。」と微笑まれるのかもしれない。でも、“仕方がない人間だもの”である。

それでも、いつの時代でも「今を生きる若者」は輝いている。やっぱりいいよね、新芽って。

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