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コラム

第90回

「浪漫」

今年の私の書初めは「浪漫」だ。

こんな時代、先を夢見て、キラキラした瞳で過ごしていなければつまらない。地震だ、放射能だ、不況だ、超高齢社会だ、失業率だと嘆いてばかりいても息がつまる。

殆どの国民は、日本の国内で生き抜いていくしかないのだから、少しでも明るい未来の為に語り合いたい。刹那的に生きるより、未来の為に動くことのほうが、素敵だからだ。

そして私の浪漫は、「明るく、おしゃれな高齢化社会への一助を担う」事である。よって、加齢により衰えた体力も、年の割に乏しい資金力も、覚えては消えていく儚く繊細な記憶力も、全て意に介さず、超高齢化社会の為の新たな仕事を模索中である。

ところが、この活動中に、実に面白い事が見えてきた。高齢化社会を元気にする秘訣は高齢者が働く事なのだ。働くからお金を使う、実に解りやすい循環なのである。

例えば、働く高齢者は健康維持が不可欠。働くために栄養補給は必需品である。健康食品業界の年々の成長は目を見張るものがあるのをご存じだろうか。

そして、外見を良くする関係の産業。昨年、通りすがりの中年男性に、出会いがしらに年寄りであることを罵倒され、慌てて自分を鏡で見直して反省し、直ちに美容と服飾雑貨に費用を投じた。罵られたおかげで、身だしなみ関係も、超高齢化社会の成長産業といえる事に気が付いた。確認すると、関連企業の成長は著しかった。

もちろん、介護や療養や、セレモニー等、人生の終焉に伴う事業も多くある。しかし、文化や知識を継承する為に高齢者ならではの経験が活きる業界も多々あるのだ。

先日、幾度も挫折を経験しながらも、新たな挑戦を止めない65歳のIT企業の社長と、日本の超高齢化社会問題、地域の衰退に対して、互いの持ち味を生かす事で、今から出来ることを語り合っていたら、増々年輩者の活躍の場が見えてきた。

多くの企業や政治家が集まる賀詞交換会でも、70歳や80歳過ぎのリーダーの皆様が、社会をあてにするな、未来は自分たちで掴もうと激を飛ばしておられる姿に元気をもらった。愛と勇気と真心を持って、夢に向かって進んでいる姿は、老若男女を問わず美しく魅力的だ。

心に浪漫である。夢や憧れは、どんな事でもいい。規模の大小や、財力も関係ない。文化的、芸術的でなければならない事も無い。そこに向かって頑張る事そのものが浪漫なのだ。と私は思っている。

ロマンとは、憧れのローマを夢見ることが語源だそうだ。いつか、あそこに!いつか、あのように!と思う事からあなたのロマンが始まる。

浪漫を胸に生きましょうよ。一度きりの人生なんだから。

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