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コラム

第22回

「人が活きる“自己実現の場“」

「社員が、元気にいかに能力を発揮し、自己実現できるか」・・企業経営にとって永遠のテーマである。特にベンチ-ャー企業にとって、スタート時「一丸となって、がむしゃらにエネルギーを現場に集中できるか!」・・ベンチャーの優位性だ。

成功しているベンチャー企業は、会社の方針を示した上で、おりのない動物園のようにメンバーにできるだけ権限を委譲する手法をとる。その代わり業務結果は厳しく問う。会社と個人の間に緊張感があり、同時に有能な人材が集まってくる「場」をいかに創り、パフォーマンスできるかが、成功要因となる。

創業時は、常に会社のプライオリティーが変わる。その際、社長と意見が異なる社員は遠慮なく疑問をぶつけ、双方が納得いくまで議論する。この自由闊達さが、大きなエネルギーとなる。

短期間でビジョンを経営者と社員が根本から共有し、オペレーションは基本的にコントロールすることなく、(上司にうかがうのではなく)社員が自分で考え、行動する組織体でなければ、この複雑な時代に対応できない。(但し、ゴールとルールは必要)

社員の評価基準についても、自分のコア(中核)技術をいかに伸ばし、利益に貢献した成果によって、基本給を決めるといった指標を持つことが重要である。その上で、具体的な業務目標に対して、達成できているかどうかという自分の感覚とともに、同僚からの自分への評価もきちんと把握していることが求められる。

自分のコア技術は何か・きちんと把握し、会社ともコンセンサスを得た上で、絶えず磨いていくことは、今後ビジネス社会で生き抜いていく上で個人のポイントともなる。

また、社員に権限を委譲する代わりに、業務結果については厳しく求めていく方針で、一般社員にも年俸制を採用し、ジョイントベンチャー(共同事業体)のように、企業と社員が組むことによって双方にメリットがあるようにしてゆくことも1つのあり方と考えられる。

会社にとって個々人が魅力的でいてもらわなければならないと同時に、社員にとっても企業が魅力的であるといった、「双方にとって緊張感のある場」創りが、これからの経営に求められる。

そして、事業規模がレーターステージに入ったベンチァーが、どんなモチベーション人事管理の手法を取れるかが、起業から企業になれるかのアプローチである。

メンバー一人ひとりの能力を最大限発揮できるかが、競争力を向上させ、人が活きる「自己実現の場」を創ることが、経営の要諦となる。

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