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コラム

第186回

「地殻変動」

2013年がスタートし、早一ケ月が経ちました。ここ数年閉塞感漂う世相でしたが、政権交代を経て年明けのスタートは、円安(91円)、株価上昇(1万1000円)、2020年オリンピック招致活動など、雲間から曙光が射し気運が高まっています。

一方、国債の発行増大による国家財政危機の拡大を始め、国家予算95兆と過去最大の政策自体が今後うまく機能し展開していくのか否か、確たるとは言えず変わらぬ緊張感漂う事態にあります。

日本は世界最速で少子高齢化が進み、2050年には平均年齢が52.3歳となるといわれています。長期での国の経済は、人口動態と連動するものですが、この波に逆らうことはできません。

多くの企業が、過去と今の延長線上にある近未来を想定し、経営計画や事業戦略を策定してきましたが、現在ではこれまでの策定手法が通じなくなってきました。 

新興国の急成長とグローバル化、SNSデジタル化、少子高齢化、新たなO2Oを始め、これまでとは違ったマーケティング変化が連鎖し、あらゆる産業界に「不連続変化とインパクト」をもたらしています。

未来の「産業構造の転換」を見通し、自らの創造的破壊によるイノベーションが、規模や業態を問わずあらゆる企業に求められています。

ALをはじめ大手企業が経営破綻した主な要因は、短期的に物事を捉え、本質的な問題を先送りし続けイノベーションできなかったことにあります。大組織でトップに上り詰めた経営陣が、自分達の任期中は何とか帳尻を合わせ、後任へ問題を先送りした結果、経営破綻に追い込まれる企業が増大してきています。

日本の総理と内閣は、世界でも類を見ない短期で変わり、長期を見据えた構造改革に向けて、イノベーションを起こせないどころか、法案を決断できない状況が続いている姿は、問題を先送りし経営破綻に追い込まれた企業の姿と重なって見えてきます。

新政権は、デフレからインフレへ導こうとしていますが、出ていくマネーが増えていくだけのスタグフレーションになって、我々の生活が苦しくならないことを願いたいものです。

企業経営は時代の洞察にあり、ダーウィンの進化論のように環境適応した企業のみが存続していく生き物です。

起こりうる未来に向けて、富士フィルムが長期視点で化粧品や医療事業領域を定め、収益の構造変革に取り組み、イノベーションを成したように、国も企業も、曙光が射している今、長期的な視座に立って、果敢に挑戦し、イノベーションのマグマを活発化させ”地殻変動”を起こす2013年にしてゆきたいものです。

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