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コラム

第103回

「バブルの頃」

泡のごとく、膨れて消えた景気があった。

1981年頃から徐々に始まり、主に1983年から1990年の間、自国の経済力を錯覚していた期間だ。そして、バブルが崩壊したといわれる91年が過ぎても、そこから10年は、産業の進化や、ITビジネスの到来で新興市場が活性し、しばらくはジャパンドリームが続いた。

ベンチャーの雄と呼ばれる方々も疑惑による不振がでる前までは、未来を語る勢いがあり、連日のメディアの露出もタレント並みだった。その上、あの独特の絢爛豪華な生活感にはバブル時代を彷彿させるものがあった。

そんな事を今更ながら思い出したのは、その真っただ中を駆け抜けた起業家の一人、折口氏のセミナーを聞いたメモが出てきたからだ。

あるもの全てをエネルギーに変え猛スピードで階段を駆け上がり、その速さゆえに見落とした大事に痛手を負わされたのかもしれないが、常人を超えた発想と行動力がなければ創業10年で1,400億という結果は出なかっただろう。

それが、いいとか悪いとかの判断では無く、事実がそこにある。純粋に高みにいくために具体的に壮絶な努力をしたのだ。

一部を要約、抜粋すると、

 「どうせ、仕事するなら、確信して宣言するべき!」
 「事業は一人では無理、仲間と一緒だからできる。」
 「全ては原因があって結果がある。」
 「運に頼らず、運に感謝する事!」
 「程度の差こそあれ、戦略,戦術を組めばかならず、成果はでる。」
 「理念を第一にする事。企業理念、自分の理念。そひて理念は眼でみえるところにおく」
 「人を活かしてこそ、カンパニー 適材適所に生かす。」
 「能力×情熱×考え方 掛け合えば最強。しかしここに0があると全てが終わる。」

等々、起業にいたる経緯から未来の展望まで教訓を交えての話に情熱という筋が通っていて共感できることが多かった。著名な方々の著書の言葉と似ていても、実践の話には、現実という裏付けがある。

バブル時代は、やたらと熱い人が多かったので、私も乗せられて図に乗りまくっていた。面白い事も沢山あったのだ、とてつもない裏目もみたけど。

いつの時代も表裏があることは、変わらない。折口氏の言葉は、決して恵まれた環境ではなかった状態から大成し、起業家を支援育成し、実績も残した創業者が、苦悩の最中でありながらも、一人でも多くの人に伝えようとしてくれた心からのメッセージとして心に刻んでおくことにした。

「能力×情熱×考え方」掛け合えば最強。0があったら全て無し、本当にそう思う。

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