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コラム

第198回

「通貨が変わるとき」

長引く不安と焦りの中、様々な業界で大きな打撃を受けた企業や事業主は苦難を強いられ、その余波は結局、より弱者に向かっていく報道が続いている。しかし、こういう事は、いつの世も状況こそ違え同じように繰り返されてきた。

そして、いつの世も、弱者が奮起し、いつの間にやら大きな力を持っていく流れになる。なので、この事態は、これまでにない豊かな人生を過ごせる機会ともいえる。その片鱗として、この最中に、ニュービジネスの話題が続いている。

高額品も安価な定額払いで使用できたり、あちこちの古民家を安価で渡り歩けたり、車も仕事も家事も育児も美容も、医療も、教育も、シェアリングやサブスクという方法で、そこそこの贅沢感をより多くの人が味わえるよう便利なサービスやアイテムが引きも切らない。

販売スタイルに関しても、ライブ配信が一つの販売チャネルとして定着してきた。その1配信あたりのライバーの業績たるや、目を見張る金額だ。新たにビジネス手法を形にしていく人々の熱意と根性と度胸と気合には、感動しかないがこのニュービジネスの強い味方となっているのが、デジタル化による決済方法だ。

一般的に「ビジネス」とは価値の交換であり、決済(金銭授受)の仕組みである。決済が確実ならば、商売の半分は出来上がっていると言っても過言ではない。しかも、その方法は、画面に映る数字や音で操作するだけ、電波さえあればいい。

そういえば、いつの間にか、現金等持ち歩かなくても、携帯と、念のためのカード類を持てば充分になった。長財布より、小ぶりな財布が売れているのも頷ける。

こうなってくると、2年後には、新たな紙幣が発行されるが、肖像の渋沢栄一氏にどれだけお目にかかる事ができるのかと余計な事も考えてしまう。なにしろ、その本家がデジタル通貨を発行する準備を初めているのだから現金を見る機会が薄れていく日も近いのだ。

歴史を振り返れば、時代の変革、切れ目には、大きなチャンスがやってくる。物を交換する媒体の通貨が様変わりし、個々人の人生全てがデーターに組み込まれる時代。だから、だから、こんな現代に添った新しい生き方を考えるいい機会だと若者に言いたい。

ちなみに、寿命100歳も夢ではない昨今、日本の平均年齢は、ほぼ49歳なので、60代は、少々体力の衰えた若者・・かな?

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