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コラム

第27回

「創業」

辞典をひくと「創業とは、事業を始める事で、事業とは、営利・生産を目的として、するべき務めを果たす為に働く事」と出てくる。

言葉は解読していけばいくほど難解になる気もするので、この辺で止めておくが、ともかくも、何かを始めて利益を得た後、その仕事が継続しそうな兆しが見えてきたら創業したといってもいいのだと思う事にした。

ところで、日本において30年以上続いている会社が、今日本で登録されている314万社と言われる中に、一体何社あるのだろうか。

これから創業しようと思っている人には、まず、続けていく事を最初に考えて欲しい。 5年後、10年後、30年後、50年後、100年後。どんな会社にしているか、なっていたいか、まず、それを考えてみたらどうだろうと思う。

そうすると、今から、やるべき事が明解になって、いろいろな困難も素晴しい将来を想像していれば、易きものに思えるかもしれない。

そんな事を考えている最中に、お仏壇で有名な株式会社はせがわの長谷川社長にお会いした。東京本社に伺うと、受付には、 CMで御馴染みの女の子が手を合わせてくれている大きなパネルがあった。思わず微笑んだ。

お部屋に入る前に、菩薩像が佇んでおられる。思わず、拝礼。
社長室に入るなり、「やあ、皆様、今日はよく来てくださった、この景色はなかなかでしょう!」と満面の笑みの社長が待っていらした。社長室には、立派なお仏壇が置いてある。

やはり、良いものは良いと感じる本当に素晴しい技術を駆使したお仏壇である。通常なら、静寂で神妙なイメージなのだろうが、長谷川社長は、ものすごく朗らかで、物凄く、気を使われる方で、話し上手で、とても物知りな人格者なので、社内は明るく、気品のある雰囲気をかもし出していた。

はせがわの創業は1929年、もう77年になられるそうだ。創業者の思いを受けて現社長が上場企業にまで成長させた。「仏壇は、無くなった方と現世の家族を繋ぐ大切な架け橋です。」「毎日、手を合わせて頂ける、とても有難い商品です。」「日本の伝統美術を継承していける大切な仕事です。」と誇らしげに語る長谷川社長は、お父様から教わった、商売道をしっかりと歩かれ、「自分がここにいることを、ご先祖様に手と手を合わせて、感謝して、毎日をしっかりと生きて欲しい。その為に、はせがわは、価格を問わず、精一杯のお仏壇を造る」と話された。

今の時代は、親や先祖を敬う気持ちがかけているといわれるが、そこには、仏壇に手を合わせる習慣が薄れていくことに、少しばかり起因することもあるのではないだろうか。

大きくて立派な仏壇が必要ということではなく、尊ぶ気持ちを持つことは大切だと改めて思い直した一日だった。

お仏壇のはせがわは、そんな気持ちを日本中の人に持ってもらいたいという夢を、目標を持ち続けて、上場されるまでの長い間、数々の障害を乗り越えてこられた。

創業者から受け継がれたお客様の心を大切にする精神は、これからも次世代の経営者に引き継がれ100年、200年と続く立派な会社になられると思う。やはり、事業の継続に必要なものは、商売を始めたときの創業者の正義の理念だと勝手に確信した。

「お手々の、しわとしわをあわせて幸せ。」心落ち着く言葉です。

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