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コラム

第220回

「“元始女性は太陽であった”と」

「元始女性は太陽であった」とは、大正、昭和と女性の権利獲得に奔走された活動家である平塚らいてうさんの名言だが、私は「元始から女性は太陽だ」の方がしっくりくる。

何故なら、太陽のような女性はいつの時代にも存在しているとしか思えないからだ。 男性優位とされる時代においても、大きな変革をもたらす切っ掛けをつくった女性の功績は世界中にあふれている。

そもそも発想の転換力や感性による行動力は女性脳が勝っていると思う。かたや男性脳は、その切っ掛けから得た物や事を冷静に判断し成長させる、その要素を最大限に伸ばし進化させるという能力をより強く持っていると思えてならない。

例えば、イギリスが弱小国であった時にエリザベス女王の機転が国を大国に変革させたがその女王の決断を生かして国家経済を成長させたのは、海軍総督(元海賊)の力である。

現代社会に不可欠なプログラミングも19世紀英国の侯爵夫人であるAde Lovelace(エイダ、ラブラス)さんが初であり、その後のプログラミング界の偉人達に影響を与えた。

と言っても、とりあえず女性大臣や女性役員の数を増やせば政治や事業がうまくいくとは思わないが、女性の発想や意見には、現実の苦しみや要望に対して、既成概念や常識を覆す事に躊躇いを持たない潔さを感じる。

なにより、実は些細にみえる事柄が、大問題につながると気づくのは、やはり女性特有の感性だと思う。

そして、その問題解決の為に自らが先陣を切って法律をも改正させるまで、執拗かつ地道な努力を惜しまない。そんな豪傑な女性と私が思うお一人でもある女性社長主催の講演会に参加してきた。

この方は、政財界のみならずあらゆる業界人との人脈がある。その端麗な外見とは大きく違う気合と根性と信念の強さから多くの信望者がいらっしゃるが、今活躍中の経営者の方々が大きな事業機会を得る切っ掛けを提供されてきた素晴らしい方だ。

その上、ご自身も経営者として87歳を過ぎて尚、未来への展望をお持ちで心身共に爽快でいらっしゃる事に尊敬の念はつきない。

高齢社会の日本は90歳現役でまだまだ美しい女優さんや元気な女性も増えている。まったく年齢という数での区切りを無くせるのも女性の特性かもしれない。

「元始女性は太陽」の、らいてうさんは輝くべき女性が光を受けるだけの月になったままでは良くないと、当時の男女の役割分担や女性差別を嘆いての例えであったと思うが、(現実は月の役目も必須なのだが、確かに輝くイメージには欠けている。)

とにかくも時代が進んだ今、男女の認識もやたら複雑になった上、それぞれの役割や権利には、まだまだ課題はあるにせよ、らいてうさんの望んだ以上の社会になっているのではないかと、私の知る限りの女性を思い浮かべながらこの講演会に集う逞しく輝く女性陣と会話していて、改めて思ったのだ。

やはり、「元始から女性は太陽である」ではないかと。

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