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コラム

第63回

「売る気」 

夏も終わりの頃、「千に一つかもしれない、でも、千に一つでも一つはあるよ。何もしなければ、0じゃない」と、解りやすく的をついた言葉を知人から貰った。以来、何かにつけ、臆病で面倒くさがり屋の私が、行動を起こす時の励みにしている。そして最近、それを垣間見る事ができた。

ある日の夕方、何故か小腹がすく微妙な時間帯に、「北條さん!驚きました。お菓子を売りに来た方がいるのです」と、普段は人一倍冷静な女史が、多少高揚しながら、チラシと現物を持ってきた。「とても気になったので買ってしまいました。おもしろい会社です」という。

少し調べてみると、確かに販売企画をする会社が、老舗のスイーツを拡販するサポートをしているようだった。やってくれるなぁ。と嬉しい思いで一杯になった。

ああだ、こうだと、言う前に、現物を持って外商に来ているという根性に、逞しさと、頼もしさを感じ、ビジネスの本質を思い出させてくれた事に感謝した。

一昔前は、行商を断るのも仕事の一つであったほど、多くの行商人がオフィスに訪れていたが、最近は、どこのビルもセキュリティーが充実してきているので、入館すら難しいところが多い。

そんな環境下にも関わらず、具体的に行動したこの営業マンは、宣伝効果だけでなく、売り上げるという結果を持って帰っていった。「売る気」の勝利だと思った。

最近は、商売も手法が変化し、お店に行くというよりも、自宅や会社に届くという通販が主流であるが、その分競争率も高くなっている。このお菓子営業マンの目的も通販への導入だった。

その競争激化の通販業界で、徹底した「売る気」で、千に一つを千に百、二百に変える達人を知っている。無名の商品でも、瞬く間に売上げをあげる仕組みを持つ、上場した通販業支援企業の創業者で、現在は、その多くの経験をもとに、日本の良い物をインキュベートする事業会社を立上げられた、株式会社Jスタイルの小村社長だ。

小村氏は、商品の特性を見つける独特の感性と、販促に関する豊富なアイディアを始め、サポート、フォローに対する徹底した管理力が卓越されていることもあって、どんな商品のご相談をしても、的確なアドバイスを頂ける。

また、その事業が成長するにあたって必ず訪れる、経営にかかわる成長痛の回避の仕方までフォローしてくださる。自然体ながらも、ポイントをついたヒヤリングをもとに、あらゆる状況を分析し課題を見抜いていく小村社長を見ていると、その会社に出勤された事があるのではないかと錯覚する程である。

先日も、ある調味料の会社のWEBでの販売方法のご相談に乗って頂いたのだが、そこの会社の近況や、社長の人生観等を、いつものように親しみやすい雰囲気でお話しを聞かれた後、「うーん、この商品の特性はね…目的が…であるなら、ここに集中した方がいいですよ。何故なら…」と、その販売戦略、戦術までをすらっとアドバイスいただいた。

それまでの議論とまったくの逆説だったが、とても解りやすく、かつリスクも無く、その会社の現況と特性を見事に合致させたアドバイスだった。小村社長の凄さに、改めて敬意を表した。

商売は、商品の良さはもちろん、売れる場所やタイミングや買われる理由が、必要なのである。小村社長も、千に一つを千に百、二百に変える為には、相当な経験と研究をされたそうだ。

商品開発力はあるが、販売の方法を模索されている企業の方は、小村社長率いるJスタイルに、ご相談される事をお勧めしたい。

「売る気」で、商品を見つめる事が出来る人とお話をすると、昨今の不景気ネタに左右されずに明日への希望と新たな力が沸いてくる。

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