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コラム

第121回

 「遺伝子の本」

何のために生きているのかという疑問をもたれた事はないだろうか。
私は、幼少期より周期的にこの疑問に襲われながらも、その都度なにがしかの誤魔化すアイテムに巡り合った事で、なんとか過ごしてこられた。

その流れもあって近年は、この面倒な落ち込みというか、不毛な思い込みを前向きに捉える方法として、本を読むという行動を起こして解消している。

しかも、人体の構造や神秘に迫る系の書物達である。遺伝子とか染色体とかDNAとかゲノムとかの文言が連なっている系である。もちろん、殆ど中身は理解していない。いや、出来ない。

で、なんで読むか。なんで読みたいか。何故、読むと元気になるかというと、なんだか複雑な構造を見ていると、ともかく生きている事は素晴らしいと思えるからである。日々の悩みや辛さなど、とってもちっぽけになってくる。

例えば、人間の体は60兆の細胞でできているのはポピュラーな話だが、60兆ってどんなものかすぐにイメージできるだろうか。

ざっと計算しても、例えば60兆秒は、180万年になる。って一体…。一万円札を積み上げると、月まで行って戻ってこれるくらいになるらしい。我々は、一人一人そんなにすごい数の細胞を抱えて動けているのだ。

染色体でいえば、人間は、精子と卵子の組み合わせ数である70兆分の1から個人として決定するという。この世に誕生するのは、まさに運による命としか考えられない。

そういう遺伝子の特性や機能を意識すると、人生を大切にしたい気分になってくる。そして、「自分」の人生を全うする為に、他人とのつながりが大事ということが良くわかる。

自分のいいものを伸ばし、苦手を直していくために、自ら出会いを求めていく努力が必要なのである。縁は自ら創造していくものなのだ。決してそんな事は、どんな本にも書かれていないが、私はそう思う。遺伝子と自分の間には縁があると思うのである。そんな事まで思ってしまう程、遺伝子絡みの書籍は発見がある。

中でも、「時空を旅する遺伝子」という書籍は、経済と生物学を掛け合わせた知識を有する西田徹氏の著書で、人生哲学とも、ビジネス書ともとれる内容に驚かされる。

ちなみに仕事で成長できる人と出来ない人の違いが遺伝子がらみで説いてあったりする。企業の合併や会社の組織づくりも生物の進化から学べたりする。

そんな発想豊かな西田氏とは、10年以上前からのお付き合いになる。ともかく、いつもお忙しくされていて、仕事だけなく、興味のある事があると、難易度も関係なく挑戦されてしまうので、時間が足りないだろうというイメージが常にある。

最近はインターウォーズの企業内起業家塾に力を貸して頂いているが、ユニークで楽しく解りやすい講義と評判である。変わらずの行動力で、一人でも多くの仕事人に元気を分けて頂きたいと思っている。常に面白い事、楽しい事を見つける事が大好きな、とりわけ元気な遺伝子の持ち主である事は間違いないのだから。

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