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コラム

第76回

「誰と共に歩むか」

「何がやりたいのですか?」と、私は転職の相談にみえる皆さんに必ず伺う。最初はそれなりの希望を言われる方々も、よく聴いてみると自分の求めているものが、「実は、よくわからない」という言葉が返ってくる事が多い。

これまでのキャリアで、誰しも一度や二度は、生き生きと楽しく仕事をして、輝いた時がある。その時、どこで、何をしていた時か?そして、そこに共通していえることは、どんなことか?と訊ねると、「何をやっていたか」よりも、「誰と共に働いていたか」に、輝いていることが多い。

気の合う好きな人や、自分が共感できる価値を語る経営陣のもとで、心地よく伸び伸び働けることが多い。やりたい仕事も大切な要素だが、この人とだったら共に働きたいと思える人を見つけることは、企業選択の大きな基準だ。

過日、6年前当社の縁で、上場企業に入社した役員と会食をした。笑顔で経緯を語る彼の中に、互いの信頼感が感じ爽やかな気持ちになった。私たちは、「相性を大切に」多くの要職の方を紹介した企業が、500億企業に成長し、今年いよいよ上場する。

起業時、多くのベンチャー企業は、気の合う仲間と共にスタートする。ベンチャー企業の優位性は、人の団結力にある。

小規模の会社に入社する際、社長との理念や価値観の相性は、きわめて大きな転職成功要素となる。経営者の理念やビジョン、価値観、意志決定が、納得感がないようではどうしょうもない。人は、本質的に、誰かが喜ぶ事、喜ぶ顔をみることで、力が湧く。

子供の頃、好きな友達や先生の家の手伝いは喜んでやった記憶はないだろうか!気の合う好きな人の為に、仕事をすることは、その人に、自分を認めて欲しいからだ。持てる力を最大限に上げて仕事をするから、成果が上がる。

そして、そういった気持ちで仕事する仲間が集まった環境は何ものにも代えがたい。「誰と共に歩むか」は、想像以上に大きなモチベーションに繋がり、人と企業の成長の原動力となる。

気の会う人との出逢いは、人生を根底から変える。

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