column

コラム

第94回

「未来への風音」

それぞれの会社に、流れる風がある。最近、新たな風音が、それぞれの会社のリズムによって奏でられている。アナログ世代のデスクの上にもパソコンが置かれ、社内外のコミニケーションがPC上で対応されている。好むと好まざるとデジタル情報化大陸の上で私達は、存在している。

経済の歴史を振り返ると、大変革が起きる背景に、必ず新しいインフラ大陸が発見されている。水路、道路、鉄道、電線、電話、インターネットなどの、新たな市場が広がっていくことによって、これまでの常識が覆され、富の構造や主役企業が変わり、人の考え方も大きく変わる。

デジタル大陸が出現し、新興の巨額時価総額を確保した企業が、旧態企業を飲み込み始め、最近、新聞の第一面を賑わしている。新たな市場は、目に見えない世界で存在しているだけに、未来を見つめる眼力が必要になってきた。

かつて、一世を風靡したポラロイドカメラは、デジタルカメラの出現によって、まさに全ての写真がインスタントとなり、2001年に倒産してしまった。これからの企業を牽引してゆくには、未来を見抜く力と、そこで通じるビジネスモデルの構想、そして、それを創出する人間集団の力が求められている。

最近、当社で起業準備をしている学生達から、SNS(ソーシャル・ネットワーク・サイト)を通じての、新しいマーケティングのあり方を考えさせられる思いがした。

SNSは、2003年に米国でインターネット上に出現した、知り合い系と呼ばれる「社交、人脈創り」のサービスのことであるが、GREE(グリー)やmixi(ミクシィ)などが、会員数200万人に膨れ上がり、「縁」が、目に見える知り合いのコミュニティとして拡がりを見せている。

こういった新たな動きは、既存のマスメディアによるマスマーケティングの効果が衰退し始めている中で、新たなマーケティングの重要な仕組みの一つとして、ますます成長してくると思える。

デジタル大陸時代の今、既存企業の未来は、固定概念のない感性を持ったメンバー達に、解放した気持ちで仕事を楽しんで取り組めるような組織マネージメントが求められ、自己実現フィールドを与えることが出来た会社が、時代を創っていく。

未来への心地良い風音が、今、皆さんの周りに流れているだろうか!

コラムを毎月メルマガでご購読