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コラム

第161回

「挑戦の年に」

2011年は、ソーシャルネット革命によって、ますますパラダイムシフトに拍車がかかり、国境を越えた構造転換の中で、世界的に通貨の本質が問われる年になるといわれている。

多くの産業がパラダイムシフトする中、昨年歴史ある出版業界で電子書籍のあるべき姿を模索する動きが活発化し始めた。これまで、出版業界では既存のビジネスモデルを覆してしまう問題があるとのことで、電子書籍は歓迎されなかった経緯がある。

未知の可能性を秘めた新たなインフラに挑戦したのは、創作者達だ。旧来の出版業界のシステムにむしろ恩恵をあずかっていた創作者達が、電子書籍にチャレンジした。

恩恵をあずかっていた創作者達が、電子書籍にチャレンジした。「いずれ誰かがやる。世の中の流れを変えることはできないが、その流れの先端にいたい。だから最初に挑戦した。日本の電子書籍の扉を開く足跡を残したい。」と、見えない空間での戦いの未来を見据え、一人の作家が語っていた。

これからの社会は、国内の競合との戦いのために、旧来の仕組みでの商品・サービス、人材のリストラにより躍起でコストダウンをし、リスクを回避して利益を出しても、やがて、人口減少社会・ソーシャルネット・グローバル・ボーダレスな世界では通用しなくなる。

「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われた頃の日本から、早20年になろうとしている。日本はなぜこんな状況になってしまったのだろうか?と悩んでいる暇はない。

世界も日本も既存の枠組みではない、目に見えない新大陸が出現した変革期の今、イノベーションしてゆくには、過去のケーススタディや、成長期の拡大戦略のフレームワークは参考にならない。

今、必要なことは、自分の目で今起こっている事実を診て、人の流れや後世から未来をイマジネーションした出版業界での創作者達の様に、挑戦する勇気だと思う。

そして、今こそ新産業・新規事業創生の絶好の機会と信じて、一人でも多くの挑戦者たちが誕生する年になることを願いたい。

2011年元旦

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