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コラム

第165回

「新大陸」

人は、子供の頃から、人の視線を意識しながら育って大人になります。時に、誰かの目を気にして、自分の立ち振る舞いが無意識に変わり、人のちょっとした言葉に考えや行動が左右されてしまうことがあります。いったい何がそうさせるのでしょうか?

人は、複雑に入り組んだ環境変化情報社会の中で、多くの人と互いに影響をし合いながら存在しています。こういった環境で働く思考は「社会脳」=「ソーシャル・ブレインズ」にあるといわれています。

私達の存在している社会は、「目には見えない一人ひとりの脳と脳のつながりのネットワークで社会が成り立っている」ことを、最近拡大している知の集積であるSNSが、社会に与えるインパクトを見ていて改めて思います。

3.11の東日本大震災から起こった原発を始めとする社会不安により、関係のない食品や地域の商品までも、国内外の人々が買わない姿は、脳がイメージした不安やリスクが、脳ネットワークによって伝播した結果であり、ソーシャル・ブレインズで世界が構成されていること現しています。

この脳社会が、より強固にサイバー大陸で繋がったインターネット社会は、誰もが想像を超えた力を持ち、社会のパラダイムを変えました。

現在も進化のスピードはとどまることなく、リアルな個が実名で繋がった顔の見える「友達」のネットプラットホーム・フェイスブックは、たった数年で、110カ国で6.6億人(2011年4月現在)を有する「新大陸」に育っています。

2004年2月、アメリカのハーバード大学で、若き天才マーク・ザッカーバーグが誕生させたフェイスブックは、これまでのインターネットとは、範疇を異にするインフラ革命とも言われています。

顔の見える実名の友達同士の6.6億人をつなぐ「傾聴」フェイスブックは、社会の流れが変わるパワーとなって、各国でパラダイムシフトが起こっています。

日本の参加者は、ここにきて700万人を超え、年内には1,000万人を超えることが予測され、これまでにないインパクトが起こる予兆を感じます。

現在、ネットビジネスで展開している企業にとって、 既存ビジネスに与える影響は脅威であり、一方、目線を変えると未来の新たなビジネスの機会でもあります。

今、「既存ビジネスを守るか、先に手を打つか」の決断が、次世代のビジネスの姿を変えると思います。今、ここ、新たな「新大陸」に、一人でも多くの挑戦者が出現して欲しいと願っています。

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