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コラム

第212回

「新たな資本時代の幕開け」

現在、欧州のドイツを始め、フランス、スイス、オランダ、ベルギー、フィンランド、イタリアといった国々がマイナス金利付きの国債を発行しています。ドイツでは、マイナス金利国債が、40億ドル全て完売したとのことです。

日本においても、1月28日の債券市場で、新発2年物国債の利回りがマイナスとなっています。
マイナス金利という言葉を、聞くことはありませんでした。先進国の資本主義は、通貨安の競争社会になったのか、銀行に預金すると利息を取られるということは、どういうことを示唆しているのでしょうか。近代資本主義社会が、限界に近づき私たちが知らない世界に入ったのかもしれません。

一方、3月11日、日本橋の東証ホールで、ニュービジネス協議会による第9回IPO大賞の表彰式が華々しく行われ、昨年上場した67社の企業から、CYBERDYNE株式会社が大賞に選ばれました。

世界初のサイボーグ型ロボットスーツによる、医療・福祉・生産現場などでの作業支援、災害レスキュー、エンターテイメントまで包括する人支援技術を展開し、世界から注目されている革新ベンチャー企業です。

創業した山海さんは、リベラルアーツを持つアートな起業家です。東証ホールで山海さんの語ったCYBERDYNEの未来構想は、ゾクゾクする素晴らしいスピーチでした。

ベンチャー企業は、スピードが重要な成功要因です。CYBERDYNEは、筑波大学院教授にして、大学発ベンチャーを起業した山海さんが、大和ハウス工業の出資サポートを得てスタートアップし、10年で上場し165億の資本が公開時株式総額3,000億となり話題を呼びました。

大和ハウス工業は、CYBERDYNEのロボットスーツを独占契約によって買い上げ、介護・福祉施設・病院にリース・レンタル事業として拡大しています。

欧州では、CYBERDYNEの医療用のロボットスーツは、医療機器として認証され、ドイツでは公的労災保険が適用され、新しい産業として勃興しています。
マイナス金利国債と革新企業がもたらす資本の拡がりの対比は、新たな資本時代の幕開けなのかもしれません!

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