column

コラム

第243回

「ニッポン新事業創出大賞 サラダボウル」

10月5日、戦国最強と呼ばれた名将武田信玄の膝元山梨県甲府にて、日本ニュービジネス協議会連合会による「新事業創出全国フォーラム」が開催され、全国から800名の方が集い「第12回ニッポン新事業創出大賞」の表彰式が華々しく行われました。

今回、アントレプレナー部門で最優秀賞/独立行政法人中小企業基盤整備機構理事長賞に選ばれた企業は、大規模な施設でシステム管理によるトマトの栽培事業を行う株式会社サラダボウルでした。

サラダボウルは、農業先進国のオランダをベンチマークし、独自の施設設計、生産工程マネージメント、商品マーケティング、週休二日制・賞与を取り入れた報酬制度、人材育成モデルを確立し、産業ノウハウを取り入れ作業を見える化した農業ベンチャーです。

創業した田中社長は、トマトの生産から、加工・販売まで一気通貫によって農業の6次産業化を見事に創り上げた起業家で、現在は、兵庫県加西市にて3haのトマト栽培を中心に、農業生産法人5社、ベトナム現地生産法人1社、6次加工販売会社1社を運営し、グループで約300名の雇用を創り出し、さらに多くの人々を迎えたいと語っていました。

国内の食品スーパーを顧客に、マーケット戦略を立て、特定品種の独占栽培で、品種の能力を最大限発揮できるような独自の大規模施設による見事なビジネスモデルを創り上げています。

ビジネスモデルの強さの本質は、場所によって変わることのない普遍的な価値を生み出す仕組みにあります。今後、岩手、宮城、山梨にさらに3箇所の圃場を計画しており、これまでにない農業の産業化の可能性を感じました。

日本の食料自給率は、1960年には79%ありました。半世紀ほどの間で半減し、主要先進国の中でも最低の水準にあります。


今後、サラダボウルのような付加価値の高い農業ベンチャーの誕生によって、農業の産業化を進めることで自給率を高め、食糧危機に直面しても対応できる日本を創り上げていきたいものです。

コラムを毎月メルマガでご購読