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コラム

第158回

「明るい長寿社会」

希望の党という新しい党ができた。希望とは、その人、あるいはその方々にとって、とっても良い事、望んでいる事である。

超高齢化、超少子化の、超格差社会でも、それぞれの希望を胸に困難を乗り越えていきましょうと呼びかける党ということなのだろか。

確かに人間は、どんな状況においても希望を捨ててはいけない。老々介護問題や、そのひずみによる弱者が増え続けている状態でも、なにかしらの解決方法が必ずあるはずだ。

なにしろ、現代の日本は有難いことに、ご長寿様の健康寿命はどんどん延びている。なので最近は、50代なんて若者である。70歳くらいが中年で90歳頃になってようやっとご隠居となれるといっても過言ではない。

90歳まで頭も体も健康で働ける方が増えれば、その分、介護問題も軽減される。そうはいっても、全てを自力で補える人は少ない。高齢者には厳しい現実もあるのだ。

そんな中、超長寿社会をサポートする事業が増えてきて、少し嬉しい気持ちになっている。例えば、高齢化の進んだマンモス団地が、分散型サービス付き高齢者住宅として変化し、周辺には、ターゲットのニーズに合わせたシニア向けの店舗や施設が集積し、まさに「集積の利益」を産んでいる。

また、まだまだ元気で動ける高齢者でも、一人暮らしとなると中々住居が見つからない事に業を煮やした若者が、「R65」という、高齢者の方の為に物件を探す不動産会社を立ち上げてくれた。しかも、創業者の希望は、自分たちのような不動産業が無くなることだと言う。

もう、年齢制限なんて不要な時代に入っているということなのだ。いつまでも働く場があり、自由に住める環境があれば、より多くの人が、天寿を全うするまで元気でいられるはずだ。

健康長寿の秘訣は、何事にも興味を持って、他人とかかわって、前向きな精神でいることだと、生涯現役で長寿を全うされた日野原先生もおっしゃっていた。

藪から棒に希望を持てと言われても戸惑うが、自分の希望は何かと、改めて問い直して、それに向かって進んでいれば、年齢に関係なく楽しく明るく生きられる気もする。

そう、今話題の漫画、「傘寿まりこ」さんのように、80歳でも楽しく生きて欲しいと、若者達は思ってくれているのである。若者と言っても40代とか50代の新しい若者世代だが。

ともかく、戦後の何もない中から今日まで、皆が、おなか一杯にご飯を食べるために、必死でお金を稼いでくださった団塊世代の方々のおかげで、私たちは充実した衣食住を得た。

これからは、新たな長寿社会を築くための課題解決に挑戦し、またその解決策を提案してくれる若者たちを応援していくことが、バブルを超えた世代の使命なのだと考えている。

前途多難かもしれないが、それこそ、希望をもって頑張るしかない。老若男女、国籍問わずに組織の階級なども意識せずに、それぞれの特性を生かして働く場が常識となる、明るい長寿社会を目指して。

そう、明るい長寿社会があると信じて。

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