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コラム

第253回

「世界一を目指すトリドール粟田さん」

過日、丸亀製麺で有名なトリドールの粟田さんと飲みながら、奥さんと二人で始めた創業の頃の話などを伺いました。

現在一番の繁盛店はハワイのワイキキ店だそうです。以前、ワイキキのお店を訪ねた時には、40人を超える欧米人が列をなしていました。大きな釜で目の前でうどんを茹であげ、日本語で対応する仕組みは日本と同じ風景でしたが、並んでいる間にパフォーマンスが見られるのがあちらでは物珍しく、魅力だと話題になっていました。海外では常識のチップも必要なく、かけうどん1杯4ドルと圧倒的なコストパフォーマンスで、エビ天、アスパラ天、かぼちゃ天などのトッピングや、フライドチキンにケチャップをかけて、美味しそうに食べている人達で賑わっていました。

粟田さんは子供の頃に父親を亡くし、生計を立てるために始めた学生時代のアルバイトがきっかけで飲食に惹かれたとのことでした。「豊かになりたい」と奥さんと共に焼鳥店を開業し、その後立ち上げた「丸亀製麺」は爆発的な人気が出て、外食チェーン史上最速で500店舗を達成しました。現在1,575店となり、売上高は1,000億を超え、株式時価総額も1,000億を超える日本の外食事業を代表する企業に成長しています。

世界中の人々が集うグルメの激戦地で大行列をつくる米国ワイキキ店を皮切りに、タイ、中国、ロシア、台湾、韓国、インドネシアなどに出店し、現在海外では530店となっています。 和食は世界から注目される産業ですが、手頃な価格で、オープンキッチンで目の前の「臨場感」「できたて」「手づくり」が味わえる日本の食文化を活かしたビジネスモデルは、世界のお客さまから高い評価を得ています。

1970年代、ケンタッキーやマクドナルドなどのアメリカのフードビジネスが世界を席巻しました。それから40数年。日本でも様々な外食企業が誕生し、多くの企業が世界進出を試みていますが、世界の人々から愛されている企業は誕生していません。

「世界に誇れるおもてなしの心をもって、あらゆる国の文化、地域性を尊重した業態を展開し、日本発の外食のリーディングカンパニーを目指します」と、語っている粟田さんの志が実現するよう、応援していきたいと思います。

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