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コラム

第87回

「お酒は美味しい」

遺伝子の関係で、アルコールに弱い体質の方がいらっしゃるそうだが、私の遺伝子は分解能力が劣るのにもかかわらず、お酒を欲しがるという面倒な遺伝子だ。

つまり、アルコールに弱いのに、酒の誘いは断らないし、よく覚えていないが、人一倍飲んで騒いでいるらしい。その上、家呑みに凝りだして、近所の酒屋さんで、あれこれ買い込み、今や、ホームバー状態である。そんなことから、改めて酒に興味が湧き「そもそも」というところを探ってみた。

酒の歴史は、ものすごぉぉく古い。そもそも、アルコールというものが、この世に現れたのは、人類よりも前だそうだ。

2千万年前に葡萄が発酵したワインの原型のよう液体が存在していて、その後1500万年以上たって人類が何気なく口にして欲求が湧き、酒をつくるという技術が生まれたらしい。人類が酒を摂取しだしたのは、紀元前4200年の書物にビールづくりの記録が残されているので、そのあたりか、もう少し前からであったと考えられている。

ワインは、最初に原型があったにもかかわらず、文献として残されている上では、紀元前2000年頃が最初である。余談だが、酒場という酒売りを商売にする場所は、紀元前1800年にはあったそうだ。

スピリッツ系は、紀元前3000年頃にメソポタミアに生まれた蒸留技術が、8世紀から15世紀にかけて世界中を網羅し、国によって、ウオッカ、ブランデー、ウイスキー、リキュール、焼酎とひろがったとか。私が日々通う酒屋さんに並ぶ酒類の原型は、この期間に出揃った事になる。

日本酒は、これまた独特で、中国から蒸すという技術が伝わった弥生時代あたりから酒のようなものづくりは、始まったようだが、清酒づくりとしての技術が確立したのは、なんと江戸時代である。日本酒というのは、意外と新しいお酒なのだ。

日本酒でいえば、私は大吟醸派。飲み口もすっきりして二日酔い知らずだからだ。お勧めは、新潟の今代司の大吟醸。切れ味がよく、香りも良く、後味もいい。たまに飲みたくなるのは、青森の桃川のにごり酒。

このお酒の事を深く知ることになったのは、桃川の関連企業であるヴィアノバの社長との会食の席である。この方は知識が豊富で、話題がつきない。

酒造りも、学問的な見地で話をしてくれるので面白かったが、桃川酒造は、アメリカでも生産していることを知り驚いた。「今や世界の「SAKE」ですからね、日本人もワインやウイスキー造ってるでしょ?なにもおかしくはないよね。」と言われて納得したが、青森から世界に向けて10年以上も前から実行されていたことに、これからの日本の地方企業のあり方を気づかされた。

それにしても、何故、人間はそんなにお酒が好きなのか。それは、人間の脳に関係していて、私達人類はアルコールによる脳内物質の排出を好むからである。不安や恐怖を取り除き、理性をゆるめ、緊張感をなくしてくれるのだ。

つまり、適度なお酒は、体にいいのだ。百薬の長というが事実そうなのである。私も適度を心がける、人類とアルコールの歴史を振り返った事で、益々上手につきあっていける気がしているので、たぶん、大丈夫だと思う。

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