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コラム

第108回

「必死」

なんとも、つき詰められた感がぬぐえない文字。
『必ず、死ぬ』生けるものすべてに与えられた最大の恐怖である死が、絶対に来るという逃げ場のない止めの文字。

葬儀業界に新風を巻き起こしているT社長の迫力満点の熱のこもった話に聞き入っていたら、突然の「必死に生きていますか?」との問いにたじろぎ、改めて必死を見直した。

昔から、経営は命がけでやるものだと言われている。命がけでやらなければ、成功なんてありえないと。ましてや継続なんてありえないと。

確かに、なにかと及び腰で引っ込み思案でいい加減な人が、自らの意思で立ち上がり成功者になった話等聞いたことが無い。

成功とは、自分の描いた夢や目標を社会に認められた上で達成することだ。T社長は、自分の正しいと思った事を形にしようと必死で創業し、今も必死で経営をされている。だから、創業から10年で上場できた。だから今も日々業績を伸ばしている。

1兆7千億を超える市場、国内で8,000社あるという葬儀社の中でも上場して、上位を占めていられるのは、創業者の彼が必死で頑張った結果である。

曰く、人は、あらゆる技術の全てを尽くして頑張っても必ず死ぬのだから、死を恐れることなくその終わりを意識して夢や目標を持てば、今生きる事の意義や有難味が湧く。

そして、躾とは繰り返し、その理由を明確にし、感情に任せずに行う事。なにより自らが律した姿を見せる事であるとも。自分の仕事、自分の人生を語るT社長の精いっぱいの話し方に、胸が熱くなりながら、話題に共感しつつ、必死という事も真剣に考えさせられた。

そもそも人間は四苦八苦(思うようにならない事)で生きている。(生老病死の4つ。そして、愛する人と別れ、嫌な人と出会い、欲しいものが手に入らず、思うように体や頭が動かないという4つの苦、合わせて八苦)

つまり人間は生きているというだけで日々自分自身と戦っている。そんな四苦八苦の人生も、夢や目標を掲げて期限をきった未来に向かって生きていたら、より充実した人生になる。人に喜ばれて、感謝されて仕事ができるようになる。

成功への道に、必死は必須なのだ。

そうはいっても、人の人生はそれぞれなので、分相応の目標もありだと思う。ただし、終わりのある人生を後悔しない事、其の為には、自分で決めた正義を貫く事である。なにしろ自分で決めたら、後悔のしようが無いからね。

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