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コラム

第52回

「企業の基本設計」

「みんなで一生懸命頑張ってるのに儲からない!」と言ったような話を創業間もない社長から時折耳にする。利益を生み出すかどうかは、大きく2つの条件がある。

第一は、【顧客が企業の提供してくれる商品やサービスを選択してくれるかどうか。】その為には提供コストが、顧客の払ってくれる価格より小さいことが必要である。当たり前のことであるが、以外とこのメカニズムが解かっていない経営者がいる。

お金にあまり苦労をした事の無い世代の若いボランティア的経営者が、このところ多いのかもしれない。人を喜ばせることが「生きがい」なのは、大事なことであるが、経営に不可欠な儲けることを見失ってしまっては、本末転倒である。

第二は、【企業活動ができる事】企業活動とは、組織メンバーが、共同作業体として活動する事、メンバーが同じ方向を目指し、エネルギーが分散することなく、集中して行動をおこすことにある。

過日、日本電産社長の永守さんの話を聞く機会があり「理念を守れんくらいなら、つぶれた方がええ!!」と言い放った言葉が強烈に脳裏に残った。

利益の裏に潜む理念は、大きなエネルギーとなり利益の源泉となり、その理念を共有した個々が活かされるよう組織に、効率的な資源や能力が整っていることが利益を生む条件である事を改めて確認した。

要は、発展するにはマーケットで「自社のサービス、商品が選択される魅力を創る」、その実現のためには「社員の心も智恵も欲も感情もある人間のベクトルを合わせ、奮いたたせる理念とマネージメントする力」があればいい。

今、この時、経営者の一番の大事は「一刻も早く事業全体を儲かる基本設計」に創り直すことにある。

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