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コラム

第138回

「G.Gの才覚」

GGとは、Grand. Generationの頭文字。有名クリエーターが提唱するシニア世代の新たな呼び方だ。高齢化社会の中で、現役を貫くための励みというか。まあ、おしゃれ感を持たせてくれている有難いネーミングである。

とはいえ、なにをしても老いる姿を隠す事は不可能なんだけど、なるだけ人に迷惑を掛けないように社会生活においての努力はすべきだとは思っている。

なのでGrand. Generationなんて好意的な表現は、長生きも素敵に思えるかもである。

ところで、そんなこんなのシニアの世界で、またもや、凄い女性にお会いした。長年勤めた企業の役員を退職し、自分でやるしかないと起業されたという。

その事業は、保育園の人手不足を補う方法として、時間も経験も豊富なシニアの力を借りたらどうかという発想から、保育士の補助をするシニアにグランドシッターという資格を授与し、保育園や必要な施設に派遣したり、研修や講座により資格を持つ方を増やしていこうとする、具体的なシニアの労働力による子育て支援事業である。

高齢者雇用促進とか、女性の力を活用とか、掛け声ばかりの中、民間の、しかも個人の女性起業家が、次世代の為に、シニアの力を発揮する機会の提供を、あらゆる難題をクリアしながらも、ともかく始められた。

正直、子供とのコミュニケーションはもとより、保育士さんと親御さんとの関係等、素人がサポートするのは難しいのではと心配になった。しかし、そこが、それこそが、GGの力、GGの才覚がものをいう。

爺さん、婆さんは、伊達に歳を重ねていないのだ。GGには、世間の荒波にもまれ、生き抜いてきた才覚があるのである。大抵の事は、なんなくこなしてしまうとの事だった。

なにしろ多くの経験があるのだ。泣いた事も、苦しんだことも、悩んだことも。その上で、人間にとって一番辛い事はなんであるかを理解したGG達が、自らの意志で子育てに参加してくださるなんて、子供たちが優しく、逞しく育ってくれる要素が満載なのである。

実例をお話ししてくださったが、想像以上、期待以上であった。これから益々、保育や託児の需要が高まる中、グランドシッターさん達にGGの才覚を発揮して頂いて、育児の問題解決に一役かって頂きたいと思っている。

もちろん、GGの才覚は、育児に限らずあらゆるところで発揮できる。肉体労働においては無理があるが、根性と知恵は生き抜いた分持っている。

上手く役割分担をすれば、仕事や家事の効率もあがり、一億総括用構想に近付ける。なにしろ、100歳なんて夢じゃない時代になってしまったのだから、道のりは長いのだ。

Grand. Generationの、そのまた上の世代の呼び方が出来るかもしれない。

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