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コラム

第223回

「ミャンマー」

世界から熱い視線を浴びるミャンマーに、行ってきました。

ヤンゴンの街は、道路の足元は悪く、バスに人が鈴なり、車のクラクションの騒音が響き、あずき色の袈裟をまとう托鉢の僧侶達の姿があり、犬が悠々と闊歩し柔らかな風が流れていました。

20年前のバンコクの様に、至るところでインフラ整備、ビルの建設ラッシュが起きていました。国自体が若く、敬虔な仏教徒が多い穏やかな国民性ということもあって、危なそうな空気はありませんでした。国が良くなり、生活が良くなる希望を持っているためか、笑顔を見せてくれる人がやたらと多くいました。

現地を案内してくれた方から、「ミャンマーの平均年齢は27.9歳、大卒初任給は1万円~1.5万円、定食は50円~100円」と聞きました。田園地帯を走るJR東日本が寄付した電車に乗って(15円位)地元の市場に行き、物価が日本の10分の1程だと感じました。

ミャンマーは1948年に英国から独立し、1989年まで「ビルマ」と呼ばれていました。50年にわたり軍事独裁政権が続きましたが、2011年、血を流すことなく平和裏に民政移管しました。
昨年、歴史的な総選挙があり、非暴力民主化運動でノーベル平和賞を受賞したアウンサン・スーチーさんが選ばれ、大きな転機を迎えています。

ヤンゴン大学で聞いたところによると、「ミャンマーは、軍政による永年鎖国的な経済政策や欧米の制裁で、ベトナム、カンボジア、バングラデシュに大きく遅れをとった。2012年以降、民政移管により新しい市場が開放され、ヤンゴンや首都ネピドーでは、これからの経済発展に期待を膨らませ3年経過したが、停滞していて当時の盛り上がりはない。供給過多でインフレ気味、でも給料は上がらない。みんな今後がどうなるのか心配している。政府は今回の総選挙と、ASEANの経済共同体(AEC)発足で期待している。しかし、どうあがいても現憲法がすぐに改正されることは考えにくいし、軍政時代に既得権益を得た軍関係者や政商らがその利権を簡単に手放すとは思えない」とのことでした。

確かに、ミャンマーが繁栄するには、不安要素が多いかもしれません。しかし、ITグローバル世界で、6000万人の人口を抱え、ベトナムの約3分の1(ベトナムは中国の約6割)の賃金で、勤勉で穏やかな人々を雇用でき、日本の1.8倍の国土を有し、黄金の光で周囲を照らす仏塔シュエダゴン・パゴダを2600年前に創建した文化を持つ国が、これから先繁栄しない訳はありません。

現在、日本企業は50社しか進出していませんが、ミャンマーの政府が外銀6ヵ国に仮認可を交付し、2015年に三菱東京UFJ銀行や三井住友銀行がそれぞれ支店を開業し、昨年の12月には日本の協力で、ヤンゴン証券取引所が開設しました。

社会インフラを整え、グローバル企業や人材を受け入れ、オープンイノベーションにより一人でも多くの起業家を創生してゆけば、「アジア最後のフロンティア」と称されるミャンマーが、名実共に注目される熱気に溢れた国になることと思います。

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