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コラム

第100回

「出逢いとリスク」

「もし僕が、21世紀の経済界で、20世紀のビジネス界で成功した経営者と評価されるのであれば、それはレイクロックとの出逢いに尽きる。人生は、時代だけでなく人との出逢いによって変わり、何にリスクを賭けたかだ!」日本マクドナルドの創業者、藤田田さんから何度も聞かされた言葉だ。

外食産業は30兆円市場ともいわれ、最近では、クリエイトレストランツやワタミを始め、多くの企業群が上場市場でにぎわい、駅や街のいたる所で、ファーストフードや手軽なレストランが乱立している。

今から35年前、歩きながらモノを食べる習慣などない頃、日本マクドナルドは、銀座三越で第一号店をオープンした。その様は、人々に異質な存在として目に映ったようだ。

そして、今日、マクドナルド、ドトール、スターバックスをはじめ、多くのFF事業会社が創生され、飲食業界のデファクトスタンダードとなった。成長時代のビジネス環境で育ったFF事業を経営することができたことは、運だけでなく、レイクロックとの出逢にある。

そして、創業前に、店がないにもかかわらず、ハンバーガー大学を創り、多くの人材を育てることから、藤田経営はスタートした。

「勝てば官軍と信じて、成功するまであきらめず知恵と汗をかく。恵まれたとすれば、人との出逢いと何に賭けたかだ!」と、常に自分を高め、今に、全力投球するチャレンジャーだった藤田さんは、結果として使い切れないほどの資産を残した。「リターンの源泉がリスクであるということ」を知った、徹底したリスクテーカーでもあった。

最近、あてがわれた仕組みや目の前に映る物に心奪われた人々に、不安を感じる。
「やりたいこと」に、大きな声で手を上げると、必然的に必要な人との出逢いが生まれる。

人は、時代の中に生きるだけでなく、誰と出逢うかによって変わる。

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