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コラム

第128回

「破壊からの、スタート」

今から14年前、世界での日本の一人あたりのGDPはNo.1となったといわれていた。
政治も経済もますます混沌とし、今年の年明けにロンドンに出かけた際、円の通貨価値が弱まっていることを感じた。(その後は、円高になってきているが)現在の、日本の一人あたりのGDPは世界で22番になったといわれている。そして、不動産業界の不振、リーマンブラザーズの経営破綻に始まり、金融不安に見舞われているせいか、未来に希望が持てないと、株価の低迷が続いている。

過日、76歳になられる多くのベンチャービジネス企業の消長を見てこられた方から、次のような話を聞いた。「急激に事業が成長して、時代の寵児といわれた企業が、一気に停滞し行き詰まってしまうケースが後をたたない。これは、ベンチャー企業だけでなく大手企業にもいえることであり、ビジネス界だけでなく役者やスポーツマンにも言える。この停滞をどう打開するかの答えは、『破壊』にある。

例えば、エビが成長するのは、殻が細胞分裂して育ってゆくのではなく、中身が成長してきて、殻に収まらなくなると、身の丈に合わなくなった古い殻を脱ぎ捨ててしまう。脱皮することによって大きくなり、その繰り返しによって、エビは成長してゆく。

これまで努力して築いた事業の、更に大きな飛躍を試みるには、これまで確立したものの殻を、破壊しなければできない。」という内容であった。

これまで築いた事業モデルを壊すことは勇気のいることであるが、現在の成熟した市場で、企業を飛躍させていく一歩は、壊すことから始まるという考えに余韻が残った。

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