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コラム

第130回

「掛け算の時代」

激動の昨今、日本の歴史が大きく変わった戦国時代や幕末に、歴史を動かしたパワーは、「人の能力が足し算でなく掛け算になったからだ!」と、歴史小説家の司馬遼太郎さんが語った言葉を思い出す。

ふつうの時代なら百の能力の人間と百の能力の人間が出会うと二百にしかならない。
しかし、戦国や幕末の時代には、人間の能力が掛け算になり一万になったということだ。

今の時代の経済環境は、世界規模の百年に一度の転換期にあるといわれている。人と企業、企業と企業の能力が重なりあうことによって、突出した変貌をとげることがある。

例えば、出遅れた日本でのインターネット業界が急速に発展したのは、志と展望を持ったソフトバンクの孫さんと、ヤフーの井上さんや、(現SBIホールディングス社長)北尾さんを始め、インターネットの未来を信じたリーダー達の出逢いがあったからである。この出逢いが業界にインパクトを与え、進化のスピードが速まり劇的にインターネットが日本に拡がった。

志と能力を持った人と人とが出会い、そして、重なり合った時、掛け算パワーが創造され、業界の歴史を変えてしまうことがある。世界的なイノベーションが求められている今、ますます、人間相乗効果を起こす時代へのスピードが速まってきている。

そして、この爆発エネルギーをさらに加速させ増幅させるのは、きっと、これからの時代に生きる「限りない上昇志向と志を持った人々」の掛け算にあると思う。

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