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コラム

第185回

「2013年にあたり」

昨年は、年の瀬に政権交代、領土問題、貿易赤字、パナソニック7,650億赤字、デフレ、円高、原発、財政が底が見え始め、政治も経済も出口の見えない一年でした。

新年を迎え、皆さんどんな希望を抱いているでしょうか?世界も日本も産業構造が変わり、スマートフォンを中心としたSNS社会は、人々のライフスタイルを変え、企業は待ったなしのイノベーションが求められています。

過日、8年前に月2億の赤字企業だった経営者から、次の様な話を伺いました。「創業期から世界一を目指し、企業習慣、制度、固定概念も外し、No.1になれる土壌で、皆で必死に働いた。誰も自分達を守ってくれない。商品・サービスも、すべて自分達で創った。結果、毎年150%成長し、現在、海外に1000人の社員を配置し、拡大してゆく。」と、爽やかに語っていました。

この企業は2004年にモバイルマーケットへ参入し、収益構造システムを変え、現在、年間2,000億の売上、600億の利益、2,000人の社員を雇用し、時価総額は4,500億円になっています。

また、年末の12月20日、東証マザーズに微細藻類の「ユーグレナ」が株式を公開しました。初日は人気が殺到し、株価がつきませんでした。社長の出雲さんが来社した際、「世界の貧困と栄養問題を解決したい」と、熱く語っていました。

かつての、ソニーやホンダといった企業の創業時、何もない時代で、「飢え」からのスタートであり、明日への「希望」がありました。

今、私達に欠けているのは、「飢え」ではないでしょうか?戦後、多くの起業家達は、飢えからスタートしてきた姿に、ユーグレナの出雲さんが、「バングラデシュで見た、貧困に苦しむ人々を目の当たりにしたことに始まる」と、私に語った言葉と重なって見えるところがありました。

自民党に政権交代し、多くの人が新政権に期待し、新たな光を求めています。3年半前も新政権に期待しました。今回の選挙の投票率は59.32%で、戦後最低でした。選挙に行かない人が、国に頼り、批判している姿は、滑稽です。

期待感が薄れ、自分一人が行かなくてもいいと行かなかったり、事情があって行けなかった人もいたと思いますが、国民の半数が選挙にも参加しない形で選ばれた議員が、この国を運営しています。今の現実を招いた原因は、国民にあります。一人ひとりが、現状の危機を直視し、人任せでなく、自らの力で生き抜いていかなければ、明日の光は見えてきません。

今年も、グローバルな枠組みが変わり、私はこれまでの景況感とは種が違う展開をしてゆくものと思います。行き過ぎた隣の企業との競争による価格破壊や、人減しでの企業存続ではなく、本来の変化から生まれてくるニーズやドメインに的を絞り、経営者と社員と株主が一体となってイノベーションしてゆくことが、ゴーイングコンサーンの道です。

今、国境を越えた構造転換の中で、世界的に通貨がパワーシフトしています。過去のケーススタディや、成長期の拡大戦略のフレームワークは、もはや通じません。自分の目で今起こっている事実を診て、一人でも多くの人達が、人任せでなく自ら機会を創り出し独自のビジネスを創り出してゆく年にしてゆきましょう!

皆さんのこの一年が、健康で輝きに満ちた一年でありますように。
本年もどうぞ宜しくお願いします。

2013年元旦

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