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コラム

第195回

「運とタイミング」

経営の成功者達は、よく「運」や「タイミング」という言葉を口にします。「運」の正体は何か解りませんが、運をつかむには、運を持つ人との繋がりとタイミングが大切のように思います。

小学生の頃、先生から、「時々姿を現しスッと通り過ぎる、前髪だけあってキューピーのような顔をしたチャンスの神様」の話を聞きました。 

チャンスだと思った時、迷って神様の前髪をしっかり掴まずにいると、その間に通り過ぎて、後から手を伸ばしても後ろ髪の無い神様を引き寄せることはできず、チャンスを逃してしまうのだそうです。

今、日本を代表する企業の創業年をみると、トヨタ、キヤノン、ソニー、ホンダといった企業が、ほぼ1940年前後に創業しています。今日の日本経済を牽引する企業の創業者達は、この時代に「チャンスの神様」の前髪をしっかり掴み、全力で引き寄せたのだと思います。

本田宗一郎さん(ホンダ創業者)と井深大(ソニー創業者)さんが、仲が良かったとはよく知られている事実ですが、この頃、運の強い人達がよく一堂に集っていたと聞きます。

運の姿は見えませんが、はっきり感じることは、「運」は人に付くもので、人に寄り添う性質があり、人との交わりから生まれてくることです。運を持つ相互ネットワークの中から、運を引き寄せ、大きなパワーが生まれ、1940年代に日本を代表する多くの企業が誕生しています。

陽転思考で、運のいい人達の渦中にいると、運に出逢う機会に恵まれます。そして、運気の流れに乗るタイミングが大切に思います。経済の波や人のバイオリズムには、「流れ」があります。流れを自覚し感じ取る感性を持つことで、潮の変わり目に気づき、タイミングを測れるようになるのだと思います。

政権交代やオリンピック招致から流れが変わりはじめています。アベノミクス成長戦略の中で、ベンチャー開業率10%に向けて、投資税制がドラスティックに変わる流れになってきました。法人のベンチャーキャピタルへの出資の8割まで、損失準備金として認められる税制恩典が検討されています。

日本では米国のような個人のエンジェル投資家が育っていませんが、法人版エンジェル税制によってVC業界へ資金が流れ機会の窓が大きく開く可能性が出てきました。

運を持つ人や企業との繋がりの中で流れを掴み、「チャンスの神様」の前髪をしっかり掴み、全力で引き寄せ、人生のCEOを実現して欲しく思います。

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