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コラム

第154回

「経営者の仕事は未来を創る事」

人の上に立つ人は、絶対にしなければならない仕事、むしろ、そういう立場でなければできない仕事がある。『未来を創る』事である。『未来を語る』事である。

その為には、常に新たな知識を吸収し、人脈を広げて、時にはリスクを取っても前進する勇気を持つことだ。

仕事柄、多くの個性的な経営者やリーダーの方々とお会いしてきて、半世紀近くなる。今なお、成功をおさめ続けている方も、惜しくも現在は反省の日々を過ごされている方も、再度挑戦されている方も、新たに経営の立場を担う形になった方も。様々な経営陣のお話を聞く機会が続いているのだが、魅力的な経営者に共通して言えることは、ただ一つ。

未来を語る人達ということだ。常に、これからを、先を見ている方である。

どんな状況においても、未来を語り、チャレンジというリスクを取る経営者は輝いている。考えてみれば、会社経営にかかわらず、リーダーとなる人は、自分自身を守る事よりも、社会の為に、将来を考えて行動するものだと思う。

チャレンジというリスクは、突然に降りかかる物ではないので、覚悟する事で最小限に抑えられる。想定内に抑える為にあらゆる準備ができるからだ。

その努力の姿が他人の心に響き、こんなことで、大丈夫??と思うような事でも、目を輝かせて行動に移している人間は、誰かが手を差し伸べてくれるものだ。

私たちがインキュベーション事業を始めたころは、IT景気の始まりで、空前の上場ブームの幕開けでもあった。やや、熱に浮かされた感も否めないが、リスクを恐れぬ新進気鋭の経営者が続々現れていた。

周囲もその熱意に促されて力を入れて応援したものだ。その後は、反動なのか、静かな時期が過ぎていた気がするが、最近になって、また新たな成長の兆しが見えてきて、少し心が躍っている。技術の進歩に沿った事業がどんどん増えてきたからだ。

人工知能の発達や、自然エネルギー技術の進化に沿ったビジネス等いくらでも考えられる。

ITにかかわらず、環境に配慮した知恵と技術だけでも、災害や事故によるライフラインの危機も減少していくだろう。またもや、いろいろな事業が生まれる機会の窓が開いたのだ。インバウンドの影響で、ホテル業にも新たな風が吹き、治安維持の為の警備会社も新たな警備機器を開発しているし、賃貸不動産業界も、新しいモデルを考案している。

まさに、これから益々面白い時代になっているのだ。

それにしても、これから、リーダーになる人達は、実に羨ましい。思いを形にするための、技術も、資金調達方法も、人材発掘の術も、実に効率よく解決できる時代なのだ。しかし、効率がいい分、人間力は益々大事なのだ。

リーダーは、何事にも、恐れず、怒らず、哀しまない芯の強さを持たなければならない。何故なら、リーダーは、失敗を恐れずに、チャレンジしていかなければならないからだ。

「経営者の一番の仕事は、未来を創る事」なのである。なぁんて、偉そうなことを言ってしまったが、この言葉は、私ごときの経験からの発信ではなく、数万人の頂点としてリーダーを続けてこられた素晴らしい人格のカリスマ経営者の言葉なのだ。

だから、本物の言葉。心に留めておいて頂けたら幸いなのである。

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