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コラム

第193回

「私的SDGs」

今頃に、今更ながら、SDGsを考えた。

1.貧困をなくそう  2.飢餓をゼロに  3.全ての人に健康と福祉を 4.質の高い教育を皆に 5.ジェンダーの平等 6.世界中に安全な水とトイレ 7.クリーンなエネルギーを皆に 8.働き甲斐と経済成長 9.産業と技術革新の基盤を 10.国、人の不平等を無くす 11.住み続けられる街づくり 12.作る責任使う責任 13.気候変動に具体的な対策 14.海の豊かさを守る 15.陸の豊かさも守る  16.平和と公正を全ての人に 17.パートナーシップで目標を達成しよう。という、2030年を目途に構成された世界的目標だ。

要するに、世界中の人々が出来るだけ安心で、平等に、幸せに過ごせる事を17の目標(ターゲット169)にして、世界中の企業や行政や志ある団体が、それぞれのやり方で努力し施策をおこなっている今日この頃である。

しかし、この中の殆どの目標は、企業や政府の課題だけではない、世界中の誰もが日々の生活の中で、無意識のうちにでも当たり前に取り組むべき事のように思う。

例えば、ともかくゴミを減らす努力をするとか、燃料を大切に使う事からでもいい。「リペア・エコノミクス」という考え方で、修理や修繕をして大事に使う事も一つだ。

また、「ペイフォワード」という、受けた恩を他者に返すという考え方も日々の生活でできる事だ。大げさな事ではなく、自分の出来る範囲で親切を心掛けるだけである。

昨今の新規事業のテーマにも、SDGsの考え方は自然に組み入れられている。そもそも、人類の苦悩や問題を解決する事で継続した営利を得る仕組みが事業だったのが、拡大成長を求めるあまり、ついつい地球環境や世界平和に配慮が欠けていたことから、今このような事態を招いたともいえる。

今や、世界中の中心地でさえ多くの店舗の撤退や小売業始め多くの業種の倒産が相次いでいる中、新たに貧困に陥り、差別に苦悩し、健康を維持できない、学校にも行けないというSDGsの目標がより遠ざかるような事態に歯止めがかからない。

しかし、商売人は負けない、瞬く間のスピードで業態の変革を行い、近い未来の経済成長を彷彿させる光を見出している。

しかも、次々と現れる生活者向けの新事業をみていると、現代の技術を持って昔にタイムスリップしているような面白い感覚がある。

御用聞き配達、隣近所との時間シェア、簡易的下宿&長屋というコミュニティつき共同住宅、洋服、家具、台所用品の修理、量り売りの商品販売等、昔ながらのサービスがネット社会でより簡単に利用できるようになったという感覚だ。

店員さんがアバターになれば、高齢者でも家から出れない人でも販売や営業もできるという、感染予防の上をいく新業態まで動き出した。人の困りごとは、時代を経ても変わらない。要するに、その問題の解決方法が時々の情勢や技術の進歩で変化するだけだ。

なので、この世界的な目標に貢献できることを前提とした事業モデルを構築し、実行していくのは、現代人の使命ともいえる。

世界中の人が、当たり前の暮らしをできる事を願いながら、今、自分が出来る小さな事から初めて行く、これは、ビジネスも自分の暮らし方も同じだ。本当に今更なんだけど、この目標は素晴らしい。

ということで、私も、人として生きる為に、私的SDGsを始めている。

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