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コラム

第221回

「謹賀新年」

皆さん、どんな思いで新年をお迎えでしょうか?
昨年の11月11日、日本の大空を三菱航空機の国産ジェット旅客機「MRJ」の試験機が飛んだニュースに、日本中が沸きました。

日本のメーカーが、民間旅客機の胴体や操縦システムまで開発するのは1962年の「YS11」以来、実に半世紀ぶりのことです。近中距離の旅客機市場で、三菱航空機は世界首位を狙うと発表がありました。

「600万人」この数字は、日本の自動車産業で働く人々の総数です。なんと10人に一人が、自動車産業で働いていることになります。自動車産業は「総合産業」といわれる裾野の広い産業です。完成車を構成する部品数は2万点から3万点になります。

部品メーカーを含めた直接間接の雇用者が多く、森のような企業の生態系がないと成り立たない産業です。自動車産業の波及効果は、全産業平均に比べずば抜けて高く、自動車産業なくして日本はもちろんのこと、米国や欧州なども経済は成り立たない状況にあります。要は、自動車の売れ行きが良ければ、企業の経済活動の循環や雇用への波及効果が大きいわけです。

産業構造が大きく移り変わり、大空が一つに繋がるグローバル社会で、航空機産業は拡大する市場です。 航空機の産業は、自動車の100倍の部品が必要とされ、機種によって100万点~300万点の様々な部品で成り立っている巨大システムです。日本にとって悲願だった航空機産業が育つことは、多くの人々の雇用が生まれ日本の活力に繋がります。

かつて三菱航空機は、ビジネス機を開発し、評判も非常に良かったにも関わらず、米国のFAAから型式認定を得ることが出来ず断念したことがあります。

新たな産業を興す時、必ず様々な難題に直面します。今回の旅客機市場への挑戦は、日本の夢と希望です。

昨年末、ベンチャー企業のユーグレナが、「航空機向けのミドリムシ燃料を2020年までに実用化する」と、羽田空港で全日空と記者会見しました。オールジャパンの総力で、世界の空に羽ばたいて欲しいものです。

本年も、IoT(Internet of Things)、フィンテック(ファイナンス・テクノロジー)を始め、新たな潮流の波が押しよせてくると予想されます。森羅万象を感じながら、皆様と共に未来に繋がる機会を創り上げていきたいと思います。

希望に満ちた素晴らしい年でありますよう、お祈りしております。

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