column

コラム

第249回

「JNBニッポン新事業創出大賞の審査委員長に就任して」

この4月、公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会(JNB)が主催する、ニッポン新事業創出大賞の「審査並びに表彰式典」の委員長に就任いたしました。

ニッポン新事業創出大賞とは、「新たな革新的な商品・サービスを市場に提供している企業や、それを支援し実績を挙げている企業や個人、そして、グローバルな事業展開で成長している海外進出企業を顕彰することで、我が国の経済・地域の活性化に貢献する」ことを目的としている賞です。今年で、13回目を迎える伝統あるJNBの活動です。 

 「アントレプレナー部門・支援部門」では、委員長として著名な松田修一氏、委員として各務茂夫氏、田子みどり氏、細川正直氏、野長瀬裕二氏、私とで選出、「グローバル部門」では、委員長として東出浩教氏、委員として村井振一氏、加藤雄一氏、深沢栄治氏とで選出することになります。

これまでの受賞者は、革命的新素材のストーンペーパーを開発し、世界展開をしている株式会社TBMを始め、多種多様の革新的な素晴らしい企業が受賞されています。

データ世紀の申し子といわれるフェイスブックは2004年の創業ですが、今では米国人の成人の10人に7人が使い、20億人の巨大な情報インフラになりました。時価総額50兆円を超え、日本No.1企業のトヨタ自動車の2倍強となっています。21世紀に入ってから創業したフェイスブックを始めとするスタートアップ企業が、データ世紀への拍車を掛け、世界の産業構造を大きく変えています。

現在、世界にはUber、Airbnb、WeWorkなどを始め、200社近いユニコーン(未上場で、千億円規模の企業価値があるベンチャー企業)が存在しています。

わが国では、前回のコラムで取り上げたフリーマーケットアプリのメルカリが唯一のユニコーンといわれています。最近メルカリには、なんと一日に約100万点が出品され、フリーマーケットアプリの登場が新たな価値を創出し、日本だけでも8兆円近いリユース市場が劇的に変わりました。

リユース市場を席巻しているメルカリは、5年前の2013年に創業されたばかりのスタートアップ企業です。1990年以降、米国や中国でのスタートアップ企業が、デジタル情報革命によって社会を変えるスケールの企業となり、その国や人々の富を築きました。一方、日本はバブル崩壊後の1991年から今日まで、世界に通じる企業は誕生しておらず、国際競争力を失っています。

かつての日本は、起業家精神旺盛なホンダやソニーといったスタートアップ企業の勃興によって、世界で類の無いスケールと速さで起業立国を築いた時代がありました。過日、メルカリのアプリが、世界で1億ダウンロードを突破しました。シェアリングエコノミー社会を牽引する期待が高まるメルカリに続く、可能性を持つスタートアップ企業を皆さんと共に、発掘していきたいと思います。

「ニッポン新事業創出大賞」に可能性のある企業を、是非ご推薦頂ければ幸いです!

コラムを毎月メルマガでご購読