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コラム

第212回

「きのこの力」

きのこは野菜ではない、菌類である。といっても細菌ではない。本体は菌糸というカビのようなものであるにも関わらず、菌核という塊状態の物(茯苓やトリュフ)や子実体としてのきのこ(一般的な傘のある形)は、薬用としても、毒としても、美味なる食用としても、その不思議な形態からマスコットとしても、芸術家達の題材としても、多くの人類にとって大活躍の菌類である。

とりわけ、日本の食材として高名な松茸は、万葉集にも載っている程、古くは雅な方々も好まれていた美味なきのこだが、生育する場所が限られている事から江戸時代でも殿様に献上される際には、松茸道中という一昼夜駆け抜けて運ぶという大イベントが行われていたほど昔から庶民には中々手の届かない貴重な代物だ。

とは言え、赤松を火力源にしていた昭和初期頃までは、そこそこ国産松茸も食せたのだが、プロパンガスの普及により赤松の需要がなくなった事から激減したとの事。その辺、人工栽培可能な一般食用キノコは安価で旨味もあり、腸活にいい食物繊維としても良く知られる優れものである。なにしろ人間は腸の調子が良いと自律神経もバランスよく、免疫力があがり、若返り効果もある。その上カロリーが無いのでダイエットに最適なお勧めの食材である。

そんなきのこの中でも、特に腸活成分を多く含んだ菌核に着目し、研究開発の末に商品化して静かに販売し続けている方の事を思い出した。販売開始時より効果がよくわからないというサプリメント系商品のビジネスは本当に難しいと実感したが、それでも諦めずに20年にわたり誠実に事業を継続されている。

その背景には効果を知る顧客の支えがあるからこそで、これからも確実な信頼を確保して末永く販売を続けて頂きたく思っている。

それにしても、きのことは不思議な生物で、そもそも地球におけるあらゆる生態系にとってなくてはならない存在である。というか、地球そのものを救った菌であり、めちゃくちゃ大事な説明を端折って、超短絡的にいうと地球のインフラである。

人ときのこのつきあいは5300年前、負傷して死亡した事が判明しているアイスマンと呼ばれる凍結ミイラさんが携帯していた程古い付き合いである。薬あるいはお守りとして持ち歩いていたとされているが、なんとなく、アイスマンさんの気持ちがわかる気がする。何かに追われ、傷つき憔悴している時にきのこの力が必要だったのではないかと。人類は古来よりきのこの力を信じていたのではないかと。

なにしろ、私はきのこオタクなので話はつきないが、ようするに、こんな波乱ばかりのご時世において、あらゆる脅威や恐怖や不安から大切な人を守る為には自分が元気でいることが第一条件である。

運動や趣味によるストレス解消等、元気でいる為のノウハウは沢山あるけれど自分にあった食材やサプリメントを見つけるのも、ヘルスケアの一つなので、もしお嫌いでなければ、きのこの持つ不思議な力を借りて元気な日々をお過ごし頂きたいいと思っている。

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