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コラム

第259回

「シンガポール」

国民一人当たりのGDPが、世界トップクラスのシンガポールに行ってきました。
税を低くして優能な人材を海外から受け入れ、金融センター都市に変貌したシンガポールの街は、高層インテリジェントビルが林立し、世界から起業家が集うアジアのハブとなっています。

シンガポールでの車移動は、何処にでもスムーズに行け、日本にはない感覚でした。政府は、車の購入を制限するために高税率を課しています。そして、新車購入権を発行し公開入札しないと車が購入出来ない規制を導入しています。現在、プリウス1台1200万円と驚く値段でした。
現在の車の所有率は、15%です。スマホで何時でも呼べるタクシーの初乗り料金はS$3(約231円)で、1キロ S$0.55(約42円)と使い易い料金で提供し、モビリティ社会への流れを国がリードしています。

かつて、イギリスの植民地だったシンガポールは、イギリス人のトーマス・ラッフルズが、東南アジアの最適な交易ルートとして着目し港を開き、大発展を遂げました。その後、戦争に翻弄され、都市国家として独立した国です。

初代首相のリー・クアンユーは、通商都市をコンセプトに、チャンギ空港建設、関税廃止、教育水準の向上、マナー管理(チューインガム禁止、落書きにはムチ打ち刑、公道上での泥酔禁止、拳銃の発射は死刑、乞食厳禁)などを始め、ルールを徹底し、街にゴミ一つ落ちていない国を創り上げました。こういった政府主導の歴史が、車の購入制限力にも繋がっていると思いました。

資源を持たない小国のシンガポールは、ITや金融の知識国家を追求し、法人税10%、個人所得税20%と低税率にして、海外からの企業進出を促し、企業や人材が集うプラットホーム立国を目指し、国民は豊かになりました。

これまで、ベトナムや中国などに投資し、資金運用を行ってきましたが、更なる発展に向け、AIへの巨額投資、起業家支援などの次なる経済成長の機会を探っています。岐路に立つシンガポールが、どんな姿に変貌していくのか見据えていきたいものです。

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