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コラム

第184回

「今更だけど、ホームページって」

インターネットという、FAXではない、摩訶不思議な通信機能に驚愕したのは、30年程前になる。

まだ、筆箱くらいの、すぐ電波がとぎれる携帯電話ですら便利だと思っていたころだ。

そんなものなので、初めてネットとやらに繋がった時には、自分の未来が明るいものに思えた。これからの時代は、これまでの商慣習や概念が急速に変化するだろうから、無手勝流の私にも

機会が訪れるという希望の光である。

「今更だけど、ホームページって」

それからというもの、それこそ光の速さで携帯電話が普及しだした。それにともない、ネットにつながる環境が整備され、ホームページ制作会社の起業が増えていくのに伴って、各企業がホームページを作り始める。当時は、企業のドメイン取得に下手を打った担当者に同情することもあった。

急激なネット環境の変化や進化に、対応できる知識が追い付かなかったのである。

そんな中、インキュベーターとしては、お会いする経営者の方々に、ホームページ制作の大切さを説明し、推奨してきた。

なのに!!!最近は、HPがあるのは当たり前で、当たり前すぎて。SNSにばかり目が行き

HPがなんの為に存在しているのかを失念していたような気がしてきた。

気付いた切っ掛けは、いつもながら自分事。

眼の不調に対して、近所の眼医者のアドバイスに頼りなさを覚えたので、ともかくも、ネット検索で情報取集に取り組んだ。結果、選択したのは自宅より遠距離で不便な場所にある眼科であった。

近隣に名だたる大学病院や専門医もあるにもかかわらず、そこを選んだ理由は、その眼科のHPにある「一人でも多くの人生を失明から守りたい」という思いが伝わるメッセージに惹かれ、掲載内容にも、その為の努力を感じたからだ。

ということで、改めてHP(特に検索された時に初めてでるページ)には、その企業や掲載する人の最も大切にしている思いを伝えるべきというのを思い出したのだ。

「今更だけど、ホームページって」

昨今、なんらかの出会いや切っ掛けがあれば、すぐに社名で検索される。どんな会社か、どんな経営者かと。殆ど、いや、必ずと言ってもいいほど相手は確認している。

ということは、その内容次第で、どれだけの機会を掴むか、あるいは残念にも逃してしまうのだ。

HPを見れば、経営者の姿勢、あるいは経営状態が見えるのである。営業のプロは、その事務所に行くと経営がわかるというが、同じである。言い換えれば、どんなに小さな会社でも、個人事業主でも、24時間365日世界中に自分の思いを表現できる場が持てるのが、ネット社会の素晴らしさでもある。

ましてや、今や、動画も当たり前になってきたし、

今後は、自動言語変換で、世界中に発信しても通じる時代になる、、と思う。

言葉でなく、テレパシー?で通じ合える機器ももうすぐそこまで来ている、、と思う。

だとすれば、益々、何のために何をするのかを明解に伝えなければならないのである。

その「思い」に沿ったデザインから内容の詳細に至るまで、初めて見る方にわかりやすく

伝える為にホームページはある。

本当に、全く、今更なんだけれど。

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