イントレプレナー塾
新規事業を生み出す組織は何が違うのか?企業文化サーベイの進め方と活用ポイント

目次
新規事業の立ち上げを支える企業文化サーベイとは?
課題設定・仮説検証・事業計画に活きる活用法
新規事業の立ち上げを進めるとき、多くの企業が最初に注目するのはアイデアや市場性です。もちろんそれらは重要ですが、実際にはもう一つ、見落とされがちな要素があります。それが、新しい挑戦を支えられる組織文化があるかどうかです。
どれだけ良い構想があっても、現場が動きにくい、失敗を許容しにくい、部門をまたいだ協力が起こりにくいという状態では、新規事業は前に進みにくくなります。だからこそ私たちは、企業文化を感覚ではなく、対話できる情報として捉えるために企業文化サーベイというサービスを提供しています。
インターウォーズ株式会社の企業文化サーベイは、単なる意識調査ではありません。
新規事業の立ち上げに向けて、組織のどこに強みがあり、どこにボトルネックがあり、今後どのような伴走支援や施策設計が必要かを見極めるための土台になります。
企業文化サーベイとは何か
私たちが実施している企業文化サーベイは、新規事業創出に必要な組織土壌の成熟度を、意識・行動・制度・支援体制の4側面から多面的に診断するものです。設問は30問で構成され、回答結果を5段階評価で集計し、組織の傾向を立体的に把握します。さらに、回答は経営層・中間管理職層・現場リーダー層という3つのレイヤーで分析し、それぞれの受け止め方の違いも確認します。
この設計のポイントは、単に「雰囲気が良いか」「満足度が高いか」を見ることではなく、新規事業の立ち上げに必要な行動が生まれやすい状態かどうかを可視化することにあります。挑戦に前向きな空気はあるのか、失敗を学びとして扱えるのか、部門を超えた協力が起きやすいのか、制度は行動を後押ししているのか。そうした観点を、定量的に把握できる点に価値があります。

企業文化サーベイはどのように進めるのか
実施プロセスでは、まず対象者の役職情報や所属情報を整理し、分析の前提となるデータを整えます。そのうえで、オンラインサーベイの回答を集計用シートへ反映し、各設問の傾向やレイヤー別の特徴を確認します。最後に、全体傾向とレイヤー別の見え方をまとめ、レポートとして整理していきます。
このプロセスが重要なのは、企業文化サーベイが「回答を集めること」ではなく、解釈し、施策につなげることを前提に設計されているからです。平均点だけを見ると見落とされることでも、レイヤーごとに見ればまったく違う文脈が見える場合があります。そこで初めて、組織としての本当の課題設定が可能になります。
サーベイで見えてくるのは「認識のギャップ」と「仕組みの不足」
企業文化サーベイを実施すると、多くの組織で共通して見えてくる構図があります。それは、挑戦意欲や主体性といった前向きな文化の芽はある一方で、それを継続的な行動に変える制度や支援体制が十分ではないということです。
たとえば、経営層は「挑戦を後押ししている」と考えていても、中間管理職層は「実務に落とし込める制度がない」と感じているかもしれません。あるいは、現場リーダー層は変化を受け入れる準備ができていても、権限や評価の仕組みが不足しているために動き出せないこともあります。こうしたレイヤー間の認識差は、表面的な会話だけでは見えにくいものです。企業文化サーベイは、その見えにくい差を明らかにし、何を優先して整えるべきかを示してくれます。

ここからは、実際のフィードバック場面でよく出てくる声を、いくつか紹介します。
例1:現場に降りるほど「制度・支援」の点数が低い
新規事業への取組みや社内公募制度、社外研修への参加などは実施していても、事後の社内広報が十分でないと「制度が機能している実感」につながりにくくなります。フィードバックでは、次のような声が出がちです。
・「あのプロジェクトはその後どうなったのか?」
・「研修に参加して、結果どうなった?」
例2:制度や評価の点数が低い(挑戦が“割に合わない”状態)
成果がすぐに出ない新規事業に取り組むことで、業績評価が下がる/出世につながらないという懸念が生まれているケースもあります。
・「うまく行かなかったら評価が下がる」
この場合、挑戦自体をプラス評価する仕組み(プロセス評価・学習評価・チャレンジ枠など)がないと、挑戦が続きません。
例3:経営者層の方が全体的にスコアが高い
トップダウン型組織の傾向があり、スピード感を生めるダイナミックさがある一方で、提案側が上位の考えを窺い、思い切った提案が生まれにくくなることがあります。フィードバックでは次のような声が出てきます。
・「経営が求める回答はそういうことじゃない」
この場合、経営層が当事者とコミュニケーションを取ることは重要です。ただし同時に、投資家の構え(短期PLで判断しない/善意の介入を避けるなど)も必要で、その塩梅が成否を分けます。
企業文化サーベイが新規事業の立ち上げに有効な理由
企業文化サーベイが役立つのは、組織状態の把握にとどまらないからです。
実際には、新規事業の立ち上げに欠かせない課題設定、仮説検証、伴走支援、事業計画のそれぞれに深く関わってきます。
まず、課題設定の段階では、「新規事業が進まない理由はアイデア不足なのか、それとも組織運営の問題なのか」を切り分けやすくなります。
次に、仮説検証の段階では、「どのレイヤーで認識差が大きいのか」「どの制度が行動を止めているのか」といった仮説を立てやすくなります。
さらに、伴走支援の文脈では、単にプロジェクトを支援するだけでなく、どの部門やどのレイヤーに対話の機会が必要かを見極める材料になります。
そして最終的には、事業計画を具体化するうえで、組織が本当に実行できる体制にあるのかを確認する視点につながります。
つまり企業文化サーベイは、組織の現在地を測るだけでなく、新規事業を前に進めるための実行条件を整えるためのインプットになるのです。
企業文化サーベイの価値は、結果よりも「活かし方」にある
大切なのは、スコアの高低だけで一喜一憂しないことです。
本当の価値は、「どこに強みがあるのか」「どこにギャップがあるのか」「次に何を変えるべきか」を組織として対話できることにあります。
もし主体性や学習意欲が高いのであれば、その強みを伸ばす制度設計が必要です。もし中間管理職層が板挟みになっているのであれば、マネジメント支援や運用ルールの見直しが必要かもしれません。もし現場リーダー層が挑戦に前向きなのに動けないのであれば、評価や権限のあり方を再設計する必要があります。企業文化サーベイは、こうした施策の優先順位を整理し、組織変革を前進させる材料になります。
まとめ(企業文化サーベイのご相談はこちら)
新規事業の立ち上げは、アイデアだけでなく、挑戦を受け止める文化や行動を支える制度、現場を動かす支援体制がそろって初めて前に進みます。
企業文化サーベイは、30問の設問と3つのレイヤー分析を通じて、見えにくい組織の状態を可視化し、課題設定・仮説検証・伴走支援・事業計画づくりの精度を高めるための土台になります。
「自社に合った設問設計は?」「結果をどう読み解き、施策に落とし込む?」「新規事業の推進体制づくりまで一緒に整理したい」といった相談があれば、以下よりお問い合わせください。