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コラム

第47回

「人生の使い方」

人間は、意思を持てる状態であれば、親や社会に押し流されているふりをしている卑怯な人間も、人の意見に左右されると批判される気弱な人も、最終的には、自分で決め、自分の判断で今の居場所を創っているはずだ。朝起きて夜寝るまで、もちろん、寝ている時間も、全て自分の人生である。

それをどう使うかは、自分である。勉強してもしなくても、だらしなくても、キチンとしても、健康に気を使うかどうかも、全て自己の判断によるものだ。ともかく、自分の人生をどう使うかは、本人の自由なのである。

7年ほど前に、新進の若手社長を集めて、HISの澤田社長に講話をして頂いた。「公開するために一番必要な事はなんですか?」と皆が気にしている問いかけに「それはねぇ、公開しよう!と思い続けることだよ(笑)」と答えられた。

その時の皆さんの憑き物が落ちたような晴れやかな笑顔が忘れられない。6社の社長をお招きしたが、そのうち2社が上場し1社が上場目前となっている。あの時の澤田さんの言葉が励みになったそうだ。

そんな7年前の時も同じ頃、朋友が、50代に向けて自分の力を試したいので、那須にアウトレットモールを創るプロデュースをするという計画を話しに来た。

まずは、一部の大地主の方に接触しているという、先の遠い話から始まった。勝算のイメージがあるのかもしれないと期待しつつも、あまりに無謀で唐突な話に、気持ちは解るけれど、有力者や権力者のネットワークも無く、思いだけで始めるのは危険過ぎるので、考え直すようにと説得を試みた。

本人は、「そうだよね、でも、やってみなきゃわからないよ」と意に介さず、体調を崩しても、あらゆる妨害にあっても、いつも明るく支えてくれる最強のパートナーと共に乗り越えて、ついに今年、オープンを果たした。

快晴に恵まれたオープンに、多くの人が集う施設を歩きながら「やって見なければわからないよね」と改めて「思い続ける」事の強さを認め、ある事に、気がついた。

自分の身の丈、分にあった生き方を見つける事が大切だと意味も無く納得していたが、それが、自分の身の丈にあっているかどうかの判断はどこでするのだろう。

それは、きっと、どんなに大きな事、無理な事と言われても、本人が大丈夫と思い、努力し続けられる事かどうかではないだろうか。

本人が無理をしていると思った瞬間に、成就などしない。するわけが無い。

成功の反対は諦めない事だと、吉井はよく人に説いているが、案外理解出来ていない人が多く、成功か失敗かという言葉に捉われている。悔いのない人生を送る為には、自分で決めた未来に自信を持って、今ここから、今からできる事、今だからできる事を一つ一つ諦めずにやり続けて、人生を満喫してほしい。

自分の人生を使えるのは一度きりだから。

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