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コラム

第73回

「世界平和のために」

「世界平和の為に、私たちはどんなことをしたらいいですか?」と尋ねられたマザーテレサは、「家に帰って家族を大切にしてあげてください」と答えられたという。

示唆に富んだ答えだと感心しながらも、改めてマザーテレサの意図するところの家族の意味を考えてみた。

家族とは、言葉だけひろえば、血縁関係にある小集団である。両親、姉妹、兄弟までだと括る方も多い。しかし、世の中には、戦争や事故や、諸事情で血縁関係に恵まれない人も沢山いる。ということは、血縁関係にあたる方はもちろんの事、身近な人を大切にする心が大事だという意味ではなかったかと思う。

大切にするということは、いざという時に守るという覚悟と準備があるという事だ。家族を守るための準備とは、知識と貯え。家族の大黒柱である諸氏に、最も課せられるのは、より多くの知識と蓄えで、家族の大事な節目や突然の危機への対応力なのだ。いわば、会社の経営者と同じ任である。

会社とは、資本をもとに、目的を持って構成された組織である。資本と言うのはお金を増やす元手なので大抵の場合、沢山もっている人が勝つ。だから経営者は、資本を基に、利益を上げていなければ資格も失うし、会社も消滅する。

利益をあげ続けていく為には、顧客の信頼を得る意識を持った組織の結束が必要だ。だから、会社は、仲間の絆がなによりも大事なのだと思う。むしろ、家族のような、絆がある企業は強いのではないだろうか。

経営者は、社員一人ひとりを思って真剣に事業を考え、いざという時に守る準備を怠らない。社員は、その思いを受け止めて、会社の利益向上の為に、会社と約束した自分の任務に責任を持つ。結果、会社が安定し、社会に還元できる。そうすれば、国が豊かになり、まずは、自国に平和をもたらすことが出来る。家族を大切にすることが平和につながるのだ。

株式会社バイタリフィの川勝社長が、会社のビジョンを「皆で、美味しいご飯を食べれる会社」にしていた。彼らしい直球勝負のわかりやすい言葉で嬉しくなった。

川勝氏との出会いは10年以上も前になる。認知、判断、行動が早く、気がつくと実行に移してしまうので、若い起業家は、こういうものだと思っていたが、12年の間に彼は特別であった事を確信した。頭も体も鍛えているので、力が余って動きが早いのだと思う。たぶん、あの元気は、還暦を迎えても衰えないと思う。

銀行出身で、いくつかの事業立上げに貢献し成功体験もした、そうはいっても、多くの苦渋を味わいベンチャー企業の難しさも熟知している彼が、未来を確信して5年前に着手したのが、今月で設立5周年を迎えるWEB制作会社バイタリフィだ。

いかなる時も沈着冷静、どんな過酷な海外生活もこなせる丈夫な体と丈夫な心をもつ彼が、凹む事等想像はできないが、これから先には、どんな壁に当たるかわからない。

そんな時の為にも、「皆でおいしいご飯を食べれる会社」として、益々強固で豊かな企業に成長していくための、お仲間を増やしておいて欲しいと思っている。

家族を大切にするという事は、皆で美味しいご飯を食べようとする気持ちからでる行動につながっている気がしている。

「皆で、おいしいご飯を食べれる会社」にしようという会社や家族が沢山できれば、暗い話や不安な気持ちから解き放たれた平和で幸せな日々が続くはずだ。

世界平和の為に、私達が出来る事は、まずは、家族や仲間と美味しいご飯を食べれるようにする事だ。マザーテレサのお言葉を勝手に深読みした私は、そう思っている。

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