column

コラム

第82回

「言葉」

Twitterや、Facebookを始め、様々なSNSの発展のおかげで、個人の生活や考え方を発信することが、日常的になってきました。

盛り沢山の情報が気軽に得られるので楽しい時間が増え、仕事の効率も良くなりました。反面SNSに拘束されている感も否めませんが、世の中の殆どの物は、使う人次第で毒にも薬にもなるものです。

それにしても、つい最近(のような気持ちでしたが10年くらいたってます)までは、企画書を作成するのも、人手と時間がかかりました。資料集めは、専門店めぐりや図書館を活用し、デザイナーに依頼する予算が無い時は、雑誌や色紙の切り張りでイメージをつくり、複数冊必要になると、印刷屋さんにお世話になっていました。

今や優秀なソフトを使って、形の良い企画書がすぐに出来ますし、ネットで資料を集めればあっという間に、しかも24時間、年中無休、いつでも出来ます。沢山の書類を持ち歩く必要もなく、小さな薄い端末一つに、あらゆる情報を詰め込むどころか、今や雲の中?を見に行くという気軽さです。

このように、便利で効率が良くなった事で、多くの方々が簡単に企画書をつくり、すぐに提案できるようになりました。

ところが、同じ中味の企画書でも、いざ対面すると上手く伝えられる人と、そうでない人とがいらっしゃるのです。

ペンで走り書きしたような数行の企画書でも、意見が通ってしまう人と、何日も時間をかけて作成した企画書に、真剣に眼も通して貰えない方もいらっしゃる。内容には大差が無くてもです。何故でしょう??

それは、まず、その人の持つイメージにあるのだと思います。これは、私が聞く機会が多かった事から気づいたことですが、提案を聞く前から、殆ど肯定することを前提に話を聞き始めてしまうという場合は、その方の持つ雰囲気が大きく作用しているのです。

初めてお会いしたときに、その人のイメージは決まります。そして、いつまでもその印象は、変えられません。後に印象を変えても、初めて会った時はこうだったねと言われてしまいます。私自身も未だに指摘される失敗はあります。それは二度と取り戻せません。それほど、初対面は大事な機会なのです。

では、初対面に必要な要素とは、何でしょうか。
まずは、一番大事な事は、心からの笑顔と、はきはきとした声、そして感謝の表現を素直に出す気持ちを常に忘れないという「気」清潔を心掛けた身だしなみ。そして相手の話をしっかりと聞き、相手の目を見て話す事です。

なによりも、脅えた様子や、緊張しすぎる態度や横柄な態度、デリカシーの無い表現方法もマイナスですが、遅刻や、間際のキャンセル、持ち物忘れ等は、これだけで、出来ない人の烙印を押されてしまいます。

実は、第一印象が良い方の共通点は、感じ良く見えるように気遣いをしています。身だしなみを整える事に始まり、おそらくいろいろな準備があってその場に臨んでいるはずなのです。だから、言動に自信がある。「気」が入っているので相手の目を見られる。

なので、企画書にのせる言葉も、その人のイメージ通りの言葉になっていて、提案する話し言葉も、印象通りになるものなのです。

半面、イメージの良くない企画書は不思議とどこかで載っていたようなコピーが並んでいます。話す言葉も聞いてきたような話で、それを読み始められてしまうので聞くのが面倒になり、つい聞く耳を塞ぎます。終わった後に中味を覚えていないという最悪の事態です。

では、どうすれば、いいのでしょうか。残念ですが最初にできてしまったイメージの改善は出来ません。しかし、「変わったねぇ」と言われるほど変わればいいのです。

まずは、スタイルを変えてみたらいいと思います。企画書も、今までのタイプと違うものを書いてみればいいのです。真剣に、外見も生活スタイルも変えてみればいいのです。

吉井は昔から、成長を求める人には、まず、外見を変える為のアドバイスをします。その通りなのです。外見や生活のスタイルを変えることで、考え方も変わるものです。自分の言葉で、はきはきと話さないと相手の心には響きません。

自分の言葉といえば、数十年に渡り、いろいろな方のスピーチを聞いてきましたが、アビックスの熊崎社長以上のスピーチには遭遇できていません。海外の大統領や有名人は側近にシナリオライターがいて、話す態度も指導されると聞いています。

よもやそんな指導を受けていられるわけではないと思いますが、文字を読むことも無く、参加者を見て、姿勢もよく、聞きやすい言葉と話し方で、周りを圧倒されていました。

でも、考えてみたら、初めてお会いしたときの印象が先に述べた条件に当てはまっておりました。やはり、初対面の印象が大事だということは、間違っていないようです。

コラムを毎月メルマガでご購読