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コラム

第95回

「カラス」

あの独特の雰囲気は、時と場合に、人間を怖気づかせる迫力がある。眼があっても、そらさない。その上、あの何か、言いたげな眼。

お前は真剣に生きているのか?俺達よりもいろんな事ができるのに、真剣に生きているのか?と問いかけられている気になってくる。

もっとも、これは、橋本ひろしという歌手で、タレントで、実業家である人の書いた歌詞が、記憶に刷り込まれているからかもしれないのだが。

初めての印象は、なんて、シャイで正直な方。タバコをプカプカ。とつとつと話される中。何故、あの時点でS社を援助したのですか?という問いに、だって時間もなかったし。なんでQの株主に?との問いに、やり方変えたら出来ると思ったし、時間もなかったし。という意味の答えが返ってきて、嬉しかった。

投資の最後の決断なんて、いくらでも格好良くいえるのだが、本音をいえば、もう考えている間もないから、最悪のリスクだけ想定して決断するものだと思うのだ。それに、株主メリットだの投資効率だのをじっくり考えての決断をすれば、必ず上手くいくとは限らない。

そして、流石なのは、買収した企業を再生する人材を抜擢する能力に長けていることである。全部自分でできるわけがないのだから、誰に任せるかが一番大事なはずだ。

独特の感性で発掘し、強烈な個性(タレントだから)で周囲を動かすのだと思う。そして、自らも、諦めないで、親父ソング?のジャンルで挑戦をし続けている。

インディーズ時代(といっても50歳を過ぎて)小さなスナックで歌われていた頃、初めて聞いたカラスという歌に感動した。それが、カラスだって生きるために真剣なのに、いくらでも路がある自分はちゃんと生きているのか?という内容の歌詞だった。

なので、カラスをみる度に思い出してしまうのだ。真剣に生きているのか?と問われている気がして。

お金がないなら、稼げばいい。50歳からでも歌いたいなら歌えばいい。なりふりかまってつまらない人生より、何を言われても堂々と楽しく生きたほうがいい。身をもって示してくれている橋本ひろしさん。

定期的なライブがあるので人生に悩んだときは、御覧になったほうがいいかも。笑いと感動と気合が頂けます。

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