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コラム

第100回

「女力(じょりき)」

また、この話で申し訳ないけれど、どうしても、言いたい。

女は本当に強くなった。もちろん、体力的に男性より勝る女性は数少ない。それでも、昨今は、女性が力のいる現場で仕事をし、スポーツ界でも、格闘技でも男性と同じ過酷な練習や試合に耐え抜き、成果を上げている。

気骨のある女性政治家も、ベンチャー起業家として名高い方も増えているし、大企業から経営を任される女性CEO抜擢も、珍しい人事ではなくなってきた。

私の周りでも、家事も子育ても併用しながら一線で仕事をされている方も増えている。でも、どなたにも共通しているのは、前向きで強いこと。

人生は、思うようにはならないことのほうが多いが、自分の環境を嘆き悲しみ他人のせいにして埋もれるのではなく、いかに充実して生きるかは、自分で生きることの覚悟ができた時にわかってくるものだ。そうすると、強くなれる。覚悟を決めるということは、最悪の状態を見極めること。だから、たいていの事は、大した事でなくなる。

ところが、精神だけでなく、本当に、本当に強い女性社長がいらした。

18歳で単身オーストラリアに渡り、大学、大学院を卒業し、学生結婚したが破局。帰国後大使館に勤務しながら、なんと30歳で女子プロボクサーになったという社長だ。

「日本に戻って、抱えきれないふつふつとしたものが怒りだった事がわかり、その怒りを発散するのに、格闘技が最適だったのです」と…。怒りとは、恨みではなく原動力なのだね。なるほどね、それは、わかる。

ちなみに、彼女はキックボクサーにもなったので、蹴りもできる。実にうらやましい。チャンピオンと戦って、ボコボコにされたけど気分は爽快だったらしい。自分は逃げなかったという満足感だったそうだ。

そういう逃げない彼女のメインの事業は、外資系の、香りで気分を浄化させるシステムをコンサルティングしていく会社である。

無の状態で相手にされなくても、忍耐強くねばりきって、やがて大手のクライアントから認められ、今や、有名どころのアロマコンサルタントとして活躍されている。強さと優しさと謙虚さを持ち合わせている、素敵な女性だ。

ああ、ついに女力の時代だ。女子力というどこか可愛い、艶のあるものではない。逞しく、強く、強く、美しく生き抜く女力である。すごい事になってきた。

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