column

コラム

第33回

「お気に入り」

過日、ネットサーフィンで気に入ったサイトを「お気に入り」に登録した際、ずいぶん使っていない登録サイトに気が付いた。私はeコマースサイトでよく本を買う。

1年前に利用していたサイトは今ではほとんど使うことはなく、最近見つけた安くて早いサイトを利用している。配達料無料、翌日宅配で、実に便利だ。以前使っていたサイト運営会社に対して、忠誠心も変更するコストもゼロ。1ユーザーとして感じることは、インターネットの世界は先行していることが大切だと多くの評論家は言うが、そんなことはない。

同じ物をディスカウントしているまともなサイトであれば、そちらに行ってしまう。「お気に入り」をクイックするだけでいい。マラソンと違い、ネットの世界はパワーある会社が登場しディスカウントしたら、一夜にして顧客が奪われてしまう。体力勝負のフィールドに入ってきた。

昨年、アメリカで4月に起きた”ドットコム・クラッシュ”以降、ネットビジネス株式市場は、冷え切っている。ベンチャーキャピタルは、最初に飛び出したドットコム企業には投資したが、どんどん首位が変わり収益のモデルが見えてこないのでほとんど出さない状況下にある。

最近の日本にもその兆候は見え始め、昨今の株価や投資家達は、ドットコム系は右に習えのように金を出さない。しかし、インフラはますます整備され40%近くがアクセスされつつある環境下の中で、必ず大きな変化が出てくると思う。

久々にチャンスの神様の到来である。今ほとんどの人がネットには慎重になっている。また、打ち上げ花火のようなネットベンチャーが息切れして気力を失ってきている。

時には、この事業を「誰かやって下さい」といった内容の話が多くなってきた。要するに現状は、インターネットビジネスで、本当の意味での安定して儲かるモデルを見つけた人は、まだ誰もいない。

お金を払って見たい情報、サービス単独の会社は、ほとんど育っていなく、既存事業の広報、マーケティングであったり、ブランドのある商品、貴重品を安くかえるサイトに、人が集まっている。

「お気に入り」に登録されるDNAのようなサイトの出現が、いよいよ求められ始めた。

コラムを毎月メルマガでご購読