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コラム

第59回

「ニューブリード」

激動の2002年も残すところ一ヶ月、経済界は相変わらずデフレから出口の見えない一年となった。

例年この季節に、上野の芸大祭に出掛けている。芸術家の卵達のおりなす芸大祭は、毎年新鮮な発見がある。特に、今年の芸祭は、感動の出会いがあった。

新鮮な画風と遠近感溢れる完成前の風景画に、心惹かれ、作者と会ってみた。29歳の目元涼しい芸大生は、「ボーボリ庭園」をモチーフにしたという作品への思いを、説明してくれた。

話を聞きながら、春先の穏やかな季節に、「庭園」を散歩しているシーンを感じ、未完の作品であるにも関わらず、仕上がった画面が見える様に思えた。 

この作品を会社の玄関に置きたい衝動に駆られ、本人にそれを伝えると快く譲ってくれた。今でも、会社に飾ってある。来社した人達は、一様にこの作品に近づき「絵だ!!」と驚く、そして、話が弾み元気な会話が生まれる。

年末になると経済誌を始め、各新聞社はきまって、今年の勝ち組み、負け組みの特集を組む。今年の勝ち組みの多くは、ベンチャー企業が大半であり、オールドエコノミー企業郡は、一部を除き負け組みになっている。

芸術の世界も経済の世界も新たなことに果敢にチャレンジするニューブリード(新しい世代)が、元気だ。

カオスとデフレの延長の2003年に向け、自身のオールクリアボタンを押し、新たなブリード目線で、思いをデザインをしてゆきたいものだ。

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