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コラム

第118回

「マイルストーン」

過日、50代半ばの目の輝いた大手企業の役員から、毎年、年初にライフデザインをイメージして、いつまでに、何をしたいのか、様々な目標を達成する為のマイルストーンを決めているとの話を伺った。人を意識せずに、ありのままの自分の思いを書きとめ、進歩状況をチェックしながら日々を送っているという。

社会人10年目に入った頃、キャリアで悩んだ際、「自分は、これからどう生きたいのか?夢は何なのか?転職して、どうなりたいのか?起業は、何の目的なのか?今の会社では、何を成し遂げたいのか?
そして、どんなポジションにいたいのか?経営陣には、どうすればなれるのか?と、いろいろ考えたが、なかなか決断できなかった。

そんな折に、アメリカに出かけた際、キャリアアンカー概念に出遭い、自らのキャリアの不動点を確認し、理念に共感したトップの企業に転職したとのことであった。

そして、一年経った頃、仕事に真剣に取り組んたが空回りし、経営陣に評価されていないと思い、再度転職を考えた。その際、ゴールをイメージし、「本当の夢は?どの位の財産が欲しいのか?人との比較でない本来の自分が、本当に手にしたいものは何か考え、紙に自分の願望を素直に描き、1年・3年・5年刻みで目標を書いた。

書いていくと、外に答えがあるのではなく、自分の中にあると気付き、とにかく実行することを試み23年経った。今、その頃書いた夢は、大半実現している」と、静かな笑顔で語ってくれた。

心の中に願うだけでなく、紙に自分の言葉を念じながら「夢」を書き、自分はどうありたいのか、イメージして、その紙を眺めているとパワーが出てくることがある。そこには、理屈をこえた「何か」がある。念ずる気持ちが強くなればなるほど、一歩ずつ実現に近づくものだ。

漫然と日々を過ごすことなく、潜在的な願望を、紙に真剣に自分の字で書いてみると、たとえ、実現できなくても、自分の人生を大切に生きることになる。

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