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コラム

第121回

「転職行動」

今から28年前、私がリクルートに転職した際に、親族から随分心配された。当時、転職という行動は市民権を得てなく、大手企業の多くは中途採用には、門戸を開いていなかった。

転職することは「落ちこぼれ」と見る風潮があり、転職情報誌を買うことは恥ずかしく、電車で見ていると白い目で見られた時代だ。

それが今では、テレビやインターネットを初め、電車内そして街で求人関連の広告を目にする。転職することが、ごく普通の行為として認識されるようになった。ここ数年、特に若年層においては転職行動が一般化し、転職を繰り返している人が増えている。

こういった転職行動が、「本人にとって、幸せな人生を送れるのだろうか?また、社会の不安定化につながり、格差を拡大させるのでは」と、不安を感じる。
転職する際には、目先の条件だけの選択ではなく、自らをしっかり見つめ、自分ドメインを設定し、WILLを持って「MADE IN 自分」を創り上げてゆくスタンスで臨んで欲しいものだ。

そして、転職行動が、産業間や企業間の知識や経験を活かす適切な人材移動を実現し、企業のグローバルな競争力を高め、個人のキャリアアップ、そして、自己実現の選択の幅を広げる転職で、人生を輝かせて欲しいと願っている。

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