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コラム

第189回

「キャリアの節目に」

「今の会社は、自分には合わないので」「自分がやりたい仕事とは違う気がして」といった声を、転職者からよく聞きます。

「あなたにとって仕事の目的って何ですか?何をしたいのですか?」と質問をすると、返答に戸惑う人がいます。問いに答えられない人は仕事のスタンスやテーマを持たず、条件や短期的目線で、転職を繰り返している人が多いように感じます。

キャリアは、デザイン(設計)とドリフト(流れ)の連続で成り立っています。そして、仕事を通じて様々な人との関わりや、選択、活動、成長、人生観などを含む人生そのものともいえます。

混迷の時代だからこそ、節目に立った時これからのキャリアを考えるにあたり、自分と仕事の間に存在する価値や意味や目的から、「自分がいったい何をしたいのか、何を成し遂げたいのか」を問い直していくことが肝要です。

誰しも、仕事で行き詰まりや悩みを感じることがあります。こういった時、「なぜ私は今、こう考えるのだろう」と、自分を見つめ、これまでの自分とありたい自分との脈絡を見つけて欲しく思います。

キャリアをデザインしていくにあたり、自分が仕事をしていく上でのキャリアの不動点を確認しておく「キャリア・アンカー」という考え方があります。キャリア・アンカーとは、船の錨(アンカー)に例えて、どんな組織・環境で仕事をしても、その人の拠り所となる不動のアンカーがあるという概念です。

キャリア・アンカーは、人によって違い、専門職的、起業家的、マネージメント的、生活スタイル的、安定志向、社会貢献等のアンカーの分類があり、自分がキャリアを形成していくうえで譲ることのできない価値観や欲求を現しています。

混迷を極め、先行きの見えない不安な時代を、私達は今、生きています。多くの人が、仕事を通じて生きる意味や価値を見いだせず、指針を見失っているのではないでしょうか?

百人百色、それぞれ自分の不動の「錨」アンカーを自覚して、何の為に働くのか見据えて充実したキャリア人生を送って欲しく思います。

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